巨人「ポスト原」に元木ヘッド急浮上

2020年02月17日 19時00分

一発を放った中島を迎える元木ヘッドと原監督(右から)

 球春到来。プロ野球は16日に巨人―DeNA戦(那覇)が行われ、オープン戦が開幕した。巨人はこの試合に1―4で敗れたが、注目はベンチ内の大きな変化。この試合で実質的な指揮を執ったのは、原辰徳監督(61)ではなく元木大介ヘッドコーチ(48)だった。自身がそうだったように、次期監督候補として帝王学を受け継がせようとしているのか。チーム内では元木ヘッドが「ポスト原」のダークホースとして取りざたされている。

 さまざまな要素をはらんだ開幕戦だった。新助っ人のヘラルド・パーラ外野手(32=前ナショナルズ)に来日初安打となる二塁打が生まれ、崖っ縁のベテラン・中島には一発が飛び出した。

 一方で先発ローテ候補の高橋は2被弾を含む3回2失点とピリッとせず。試合後、原監督が最も称賛したのは育成選手たちの奮闘ぶりで、それぞれ1イニングずつ完全投球を披露した沼田と与那原について「練習通りの姿で投げられたのは非常にいい収穫」と絶賛。支配下登録の上限70人まで残り5枠ながら「(あと)3人ぐらいでしょうかね」と大きな昇格チャンスを設ける方針まで明かした。

 レギュラー争いなどもこれから本格化するが、水面下では首脳陣も昨季と大きく異なる動きを見せた。この日のオープン戦や15日の練習試合など先発オーダーの構成や選手の起用法を考案しているのは、元木ヘッドだという。もちろん、最終的に原監督の承認を得るものの、チーム全体が元木ヘッドの意向で動いていると言っても過言ではない。それだけ、元木ヘッドに対する信頼は絶大なのだ。

 当の元木ヘッドは「(起用法などは)頭を使うよね。ケガをされても困るし。練習試合とかなら(一度下げた選手を)代わりに出せるけど、オープン戦では代わりは出せない。そのへんは難しいかなと思う」と、不慣れな“采配”に日々頭を悩ませている様子だ。

 シーズンに入り、原監督に病欠など万一のアクシデントが起きれば、監督代行を務めるのもヘッドコーチの重要任務の一つ。現状は有事に備えた予行演習の意味合いもあるが、それだけではないとの見方もある。球団関係者は「原監督は元木ヘッドの野球観や戦況に応じた分析、判断力を本当に高く評価している。だから、ヘッドコーチにまで抜てきした。いずれ、巨人の監督になる可能性がないとは言い切れないでしょうね」とも語った。現時点では考えにくいが、3年契約の原監督が任期中に退任ということになれば“ワンポイント”も…。

 これまで原監督は元木ヘッドについて「素晴らしい統率力、洞察力、野球の技術、戦略の知識がすごくある。僕が思っていた以上に成果を上げてくれているヘッドコーチですね」などと評しており、原監督自身もヘッドコーチ時代、長嶋監督の代わりに公式戦の采配を振るなどし、監督修業を経験している。

 原監督の「後継者」の最有力候補と目されるのは、指揮官との直接会談で昨季限りでの引退を決断した阿部二軍監督。しかし、元木ヘッドに施しているのが“監督教育”の一環だとすれば…。

 現役時代は「クセ者」と称された元木ヘッドが伝統球団を率いる日が訪れるのか。