ソフトバンクの王貞治球団会長(79)が15日、台湾プロ野球(CPBL)の味全で選手兼任コーチとして現役復帰することを表明した川崎宗則氏(38)にエールを送った。

 川崎氏は昨年3月、自律神経の病気でソフトバンクを退団。引退状態となっていた愛弟子の再始動に「彼がまたプレーする機会を得られてよかった」と喜ぶと、選手として再評価される活躍を願った。

 川崎氏を思う言葉は熱を帯びた。「ここからだよね。まずはどれだけプレーできるのかを周りに示すことが大事。それによって、今後の契約内容も変わってくるわけだからね。残念ながら、今は日本でそういう機会がなかった。でも、向こうで結果を出せば、日本への道も切り開ける」と語り、将来的なNPB復帰を期待した。

 愛弟子の今後の可能性にまで踏み込んだのにはワケがある。王会長は自身の野球人生を振り返り、次のように訴えた。

「僕もね、引退した時は本当はもっとプレーをしたかったし、そのつもりだったんだよ。でも、最後は体力的な部分で自分の打撃ができない、それではチームに貢献できないということでユニホームを脱いだ。一番は本人が思う存分にプレーすることが大事。だから、彼にはそうしてほしい」

 王会長は現役最終年に30本塁打を記録したが、40歳で現役生活にピリオドを打った。のちに「あの時辞めて後悔している。もうちょっとできたんじゃないかと思っている」と心残りを語ったこともある。川崎氏は自律神経の病のため志半ばでグラウンドを離れた。それだけに、気力が戻ればという思いが王会長の中にあるのだろう。

 川崎氏の現役復帰表明を受けて、ホークスファンの間では将来的な古巣復帰を熱望する声が上がっている。現状、球団フロントは静観の構えで一致しているが、果たしてどうなるか。