リハビリ中の柳田を勇気づける異例の“エール票”

2019年06月07日 17時43分

筑後市で別メニュー調整に励む柳田(手前)

 左膝裏肉離れが長期化しているソフトバンク・柳田悠岐外野手(30)が、野球ファンからの猛エールに勇気づけられている。

 4月7日のロッテ戦(ヤフオクドーム)で三盗を決めた際に故障した柳田は当初「全治3週間程度」と診断されていたが、その後の再検査と定期的な経過観察でも回復状況に大きな前進が見られない状態だ。

 戦列を離れてから2か月。露出が激減している中、これぞ「球界の顔」とも言える事象が起きている。それは「マイナビオールスターゲーム2019」のファン投票。昨年まで2年連続両リーグ最多得票の柳田は、最新の中間発表(7日時点)で14万7834票を得て、外野手部門で前日から1ランクダウンしたものの3位につけている。今季9試合しか出場していない大砲への“民意”はファンの間でも賛否両論が渦巻いている。

 ファンの声に応えて雄姿を見せたいのは本人もやまやまだが、現実は難しい状況だ。福岡・筑後市のファーム施設でリハビリに励んでいる柳田は、今週に入って練習強度を上げている。先週までは軽いジョギング程度だったが、ランニングと軽いティー打撃をそれぞれ5割程度の力で再開。柳田自身は「7月中には戻りたい」と意欲的だが、工藤監督との個人面談で「完治最優先」が双方とトレーナー間で確認されており、復帰時期を明言できる状況ではないのが実状だ。現場首脳陣も球団フロントも、柳田の復帰時期については希望的観測も込みで「後半戦から」というのが一致した見解で、長期化は避けられない状況だ。

 ゆえに、飛躍的回復を見せない限りは球宴を辞退せざるを得ない。柳田本人も回復状況はのみ込めているだけに、驚異の得票数には驚きを隠せない。「えーっ! そうなんすか」と目を丸くすると「(出場が)絶対に無理というわけではないでしょうが…」と“民意”に感謝しつつも複雑な表情を浮かべた。

 この異例の状況にはチーム内でも大きな話題となっており、球団幹部は「改めて柳田の球界における存在の大きさを認識した」と語った。野球ファンの間では「出場辞退による後半戦10試合欠場のペナルティー狙い」でアンチホークスファンが票を投じているのでは…といううがった見方が散見されるが、今年から野球協約が改訂され「故障により球宴直前の試合まで抹消されていた場合、その抹消期間中の試合数を球宴後の10試合から差し引く」ため、純粋なエール票と受け取れる。別の幹部は「これは野球ファンの柳田への応援の形。柳田本人とも話をしたが、照れながらうれしそうにしていた」と明かし「苦しいリハビリの中でファンの声が後押しているのは間違いない」と語った。

 前半戦絶望のミスターフルスイングは、野球ファンの思いに支えられ早期復帰への思いを新たにしている。