エンゼルスの大谷翔平投手(27)に異変発生だ。1日(日本時間2日)に敵地シカゴでのホワイトソックス戦に「3番・DH」で先発出場し、3打数無安打1打点1四球だった。9回一死一、二塁で代打を送られ、今季初の途中交代となった。球団広報は「右股関節の張り」と発表。本人は軽症を強調しているが今後は不透明。6―5で逃げ切り、ア・リーグ西地区首位をキープしたチームにとっては不安材料だ。

 大谷に異変が発生したのは4―0の7回無死一、二塁だった。3番手の右腕ルイーズの外角低めのチェンジアップを引っ掛けて投ゴロ。一塁へ走る途中で表情をゆがめるとスピードを緩め、併殺打となった。常に全力疾走する大谷にしては珍しい光景だったが、走り出した直後に右股関節に異常を感じていたのだ。

 先発のサイ・ヤング賞左腕カイケルとは3度対戦。初回一死無走者はシンカーを見極めて四球。3回無死二、三塁は初球の外角カットボールを引っ張って二ゴロ。三走が生還し、打点1を記録した。4回は2番トラウトが申告敬遠で歩かされて二死満塁。カウント2―1から内角高めのスライダーに詰まらされて一ゴロに倒れていた。

 チームは4月に22試合を消化。大谷は同28日(同29日)のガーディアンズ戦を完全休養したものの、それ以外は投打同時出場4試合を含め21試合にフル出場しており、疲労の蓄積が心配されていた。

 MLB公式サイトは「大谷が離脱すればエンゼルスにとっては大きな打撃だ。ア・リーグMVPはマウンドでエースであり、打線でも中心。彼の次の登板は来週初めのレッドソックス戦が予定されていた」とトップニュースで報じた。

 ただ、オレンジ・カウンティー・レジスター紙のジェフ・フレッチャー記者は自身のツイッターで「大谷に関するニュースはまだありません。しかし、彼はクラブハウスで笑っていました」「大谷翔平は『今のところ明日はプレーするつもりです』と語った」と相次いで投稿した。

 大谷は軽症を強調。「大事を取って。ああいう展開だったので、トレーニングスタッフに言われて交代したが、今のところ明日は出るつもり」とコメントを出したが、マドン監督は今後について「現時点ではまだ分からない」と慎重姿勢。次回登板は3日(同4日)のレッドソックス戦の予定だが、流動的だ。

 ホワイトソックスに競り勝ったチームは1日時点、15勝8敗でア・リーグ西地区で2位のマリナーズに2・5ゲーム差をつけている。2014年以来、8年ぶりのプレーオフ出場に向けて好スタートを切った。

 主砲トラウトと強打者のレンドンが復帰して打線は好調、新加入した両右腕シンダーガード(2勝)、ロレンゼン(3勝)がしっかり先発の役割を果たしていることが大きいが、チームの安定は二刀流の大谷が投打の軸に座っているからこそだ。万が一、離脱ということになったら…。軽症であることを祈るばかりだ。

【大谷のメジャー移籍後の主な故障】

 2018年6月8日 右ヒジ靱帯損傷で故障者リスト(現負傷者リスト)入り→同年10月1日に手術。

 19年9月12日 左ヒザにシーズン中に痛みを感じ、手術することを発表→同13日に手術。

 22年5月1日 右股関節の張り訴え、9回一死一、二塁で代打送られる。