米ロサンゼルス・タイムズ紙によると、米大リーグ機構(MLB)は、2019年に遠征先のホテルで急死したエンゼルスのタイラー・スカッグス投手(享年27歳)が死に至る結果となった薬物使用についての調査隊を新たに発足させるという。

 スカッグスについては17日(18日)に元エンゼルス職員エリク・ケイ被告が死因である禁止薬物を提供した罪で有罪判決を受けたばかり。

 裁判では、証言台に立ったマット・ハービー投手ら少なくとも5選手らがエンゼルス在籍中に禁止薬物を服用していたと告白。ハービーはコカイン使用の経歴なども明かし、今季60試合の出場停止処分の可能性などが連日報道されているが、「禁止薬物を服用してでもメジャーに残ろうとする選手が多い」と選手らの薬物使用が一般的であることを明かして世間を驚かせただけでなく、薬物使用に対してMLBがさらなる対処法を必要とすることが浮き彫りとなった。

 また、エンゼルスがこの件についてどの程度知っていたかという点にも注目が集まっている。球団はスカッグスの死後、独自調査で「選手にオピオイドを提供している従業員がいる報告や認識は出てこなかった」と結論づけたが、21年6月29日、ケイ被告が薬物中毒だった経歴を知りながら選手と接する機会の多い広報という職務を与えて「スカッグスに野球をする上で安全な環境を与えることを怠った」として、両親と未亡人のキャリさんが球団に対してテキサス州とカリフォルニア州で訴状を提出した。今後は民事裁判で争われる見込みだ。

 スカッグス側のラスティ・ハーディー弁護士はケイ被告の判決後に「裁判はエリク・ケイが薬物を配っていたことをエンゼルス組織の多くの人が知っていたことを明らかにした。球団がエリク・ケイの行いを知っていたのは疑う余地もなく、道徳的にも法的にも責任を取るべき。今後の民事訴訟で、チームが責任を取ってくれることを期待する」との声明を出している。

 国立健康統計センターによれば、20年5月~21年4月までの間で、米国における薬物過剰摂取による死者は10万306人。その数は増加を続けており、オピオイド問題は深刻な社会問題にもなっている。