メジャーはポストシーズンが開幕したが、契約問題も話題になってきた。米移籍サイトのMLBトレード・ルーモアーズはエンゼルスの大谷翔平投手(27)がチームと長期契約を結ぶかどうかに注目。「大谷翔平はエンゼルスとの長期契約に前向き」と題する記事を掲載し、エンゼルスが長期的な契約に踏み切れない事情を解説した。

 大谷は今年2月に2年総額850万ドル(約9億4700万円)で契約しており、来季の年俸は550万ドル(約6億1300万円)。来季終了後に年俸調停の権利を得て、23年のオフにFAとなる。

 同サイトは今季の本拠地最終戦後に大谷がフロントと契約の延長についてまだ話し合っていないと明かし、いつでも交渉する用意があると通訳を介して語ったと前置き。さらに優先事項は「勝つこと」と断言したことで、様々な臆測を呼んでいると現状を説明した。

 その上で来季も二刀流で今季と同様の成績を残した場合、「メジャー史上で最も魅力的で複雑な年俸調停になる」と予想。「契約を延長すればエンゼルスのフロントは頭痛の種を排除できる」とした。

 ただ、球団が二刀流の活躍に見合った契約を提示できるかどうかを疑問視する。エンゼルスはマイク・トラウト外野手(30)と30年まで総額4億2650万ドル(475億円)、アンソニー・レンドン内野手(31)と19年オフに7年総額2億4500万ドル(約272億円)の巨額な契約を交わしている。さらに大谷と同程度かそれを上回る大型契約を結べば、選手の年俸総額が規定額(今季は2億1000万ドル=約233億円)を超え、チームはぜいたく税を課せられる。同サイトによれば、モレノ・オーナーはぜいたく税の基準額を超えることを認めていないという。

 また、エンゼルスは二刀流の成功をもう一年見極める可能性もあると同サイトはみる。ただ、大谷が来季も活躍すれば「市場価値をさらに上げてしまうだけ」と論調。球団に早めの交渉を進言した。