エンゼルスの大谷翔平投手(27)は3日(日本時間4日)に本拠地アナハイムでのレンジャーズ戦に今季17度目のリアル二刀流の「2番・投手」で出場。

 7回を1本塁打を含む7安打2失点、8三振2四球で9勝目(1敗)を挙げ、1918年のベーブ・ルース以来の「2桁勝利&2桁本塁打」に王手をかけた。

 打者29人に117球。自身では8連勝で防御率2・97と2点台に戻した。打者では4打数無安打だった。チームは3―2で勝った。

 最後は気力で投げ抜いた。3―2で迎えた7回。2三振を奪いながら安打と四球で二死一、二塁の大ピンチだ。球数はメジャー移籍後自己最多の113球に達していた。打席は2番カイナーファレファ。疲れてはいたがその目は輝きを失っていなかった。

 初球スライダーを内角低めに決め、2球目は声を出して腕を振った99・1マイルの直球が外角低めに外れたが、3球目は99・5マイル(約160・1キロ)の直球で空振りを奪った。エンゼル・スタジアムのファンは総立ちで大声援だ。

 117球目は外角低めの99・4マイル(約160キロ)の直球。バットに当てられるも一、二塁間で一塁手ウォルシュが捕球、ベースカバーに入った大谷にトスしてアウトにした。

 100マイル(約160キロ)超を連発したのは2―2の4回。内野安打と中越え二塁打で一死一、三塁で打席は2回に同点弾を浴びたマーティン。

 スライダー2球で追い込むと3球目は真ん中高めに100・4マイル(約161・5キロ)の直球。バットに空を切らせた。続くタベラスは1ストライクからの2球目の真ん中低め直球はボールと判定されるも100・5マイル(約161・7キロ)を記録。3球目の99・5マイル直球で一ゴロに仕留めた。大谷の100マイル(約161キロ)越えは4月4日(同5日)のホワイトソックス戦以来だ。

 初回は二死後、3番ガルシアに不運な内野安打で出塁を許すと4番ローの打球が右手を直撃。ビデオ判定で内野安打となったが、5番ピーターズを一ゴロを打たせて、無失点で切り抜けた。

 2点を先制してもらった2回は一死一塁で8番マーティンに真ん中に甘く入った95・5マイルの直球を右中間席に同点弾を運ばれた。しかし、後続はギアを上げて2者連続三振で終えた。

 3回は先頭打者に四球を与えるも3番ガルシアを三ゴロ併殺打、4番ローはカウント1―2から直球で空振り三振。5回、6回は三者凡退で終え、6回のチームの勝ち越しを呼んだ。

 熱投の大谷だったが、打者では無安打だった。相手先発はメジャー2度目の登板の新人右腕オットー。初回、無死一塁は1ボールから2球目、91・9マイル(約148キロ)の直球を強打するも二ゴロ。

 3回、無死一塁はカウント2―2からの5球目、内より低めのナックルカーブを中堅にはじき返すも大谷シフトで二塁ベースの右横を守っていた三塁手が捕球して併殺打となった。

 2―2の5回、二死一、三塁の場面では2番手の右腕・サンタナと対戦。初球、外角高めのスライダーを右翼にいい角度で打ち上げると大歓声が上がるも平凡な右飛だった。8回、二死無走者での打席では、3番手の右腕コットンの前に3球で空振り三振だった。

 103年ぶりの偉業にあと1勝に迫った大谷。その先には日本人選手初の本塁打王、50本塁打、史上初の「50(本塁打以上)―30(盗塁以上)とさらなる偉業が待っている。残り27試合。背番号「17」から目を離すことはできない。