エンゼルスの大谷翔平投手(27)は18日(日本時間19日)に本拠地アナハイムでのマリナーズ戦に「2番・DH」で先発出場し、9回に後半戦初アーチとなる34号2ランを放ち、3打数2安打2打点、1三振2四球だった。チームは4―7で敗れ、勝率5割となった。

 常識を超えた一発だった。2―7の9回二死三塁。5番手の右腕セワルドがフルカウントからの7球目、内角低めの見送ればボールのカーブをゴルフのドライバーのようにすくい上げた。107・3マイル(約173キロ)のライナーは中堅席へ飛び込んだ。5試合ぶりの34号2ランは飛距離419フィート(127・7メートル)。マウンドのセワルドは信じられないといった表情だ。大谷のアーチを待ちわびていたファンは大歓声。大谷は悠々とダイヤモンドを一周した。

 それにしても恐ろしい修正力だ。後半戦開始から前の打席まで14打席、本来のスイングは影を潜めていた。にもかかわらず一振りで修正した。試合前の時点でブルージェイズのゲレロに2本差に詰め寄られたが、3本差に広げた。ここからエンジン全開だ。

 大谷がファンを脅かせたのはバットだけではない。自慢のスピードも発揮した。2―6の7回一死無走者だった。3番手の左腕ミシェビッチの初球、外角低めのカーブを引っ掛けた。強めのゴロは大谷シフトで一塁ベース後方の芝生ギリギリに守っていたフランスがミットに納めてベースへダッシュ。しかし、間一髪大谷が駆け抜け、一塁内野安打とした。特大アーチを期待していたファンも大谷のスピードに大歓声だ。

 MLB Statsno公式ツイッターによると「秒速30フィート(約9・14メートル)でエリート!」と伝えた。メジャーリーグ平均は27フィート(約8・23メートル)で大谷の平均は28・8フィート(約8・78メートル)。まさに驚速だった。

 2点を先制された初回一死無走者は相手先発の新人右腕ジルベルトと対戦。6月6日(同7日)に対戦して1打数無安打1三振2四球だった。96・9マイル(約156キロ)、97・7マイル(約157キロ)の直球2球で追いこまれるとカウント2―2からの5球目、外角低めのチェンジアップにタイミングを外され、空振り三振。前日の2打席目からメジャー自己ワーストの5打席連続三振となった。

 3回二死一、三塁は四球を選んだが続くウォルシュが空振り三振に倒れ、得点につながらなかった。5回二死一塁も四球だった。

 オールスター戦明け3試合目で待望の一発を放った大谷。球宴疲れは無用の心配だった。19日(同20日)の敵地アスレチックス戦では後半戦初の先発マウンドに上がる。楽しみだ。