オールスター戦で史上初の投打同時出場を果たしたエンゼルスの大谷翔平投手(27)の球宴関連グッズが米大リーグ機構オークションサイトに出品されているが、14日(日本時間15日)時点で入札が殺到してとんでもないことになっている。「1番・DH兼投手」として着用した濃紺の統一ユニホームが70倍、初回に放ったファウルの公式球は約100倍と値上がりし、ライバルたちに大差をつけているのだ。歴史を刻んだ二刀流。もはや人間世界遺産だ――。

 大谷は13日(同14日)にデンバーで行われたオールスター戦にア・リーグの「1番・DH兼投手」で出場し、元祖二刀流ベーブ・ルースも果たせなかった偉業を達成した。打者では2打数無安打と期待の特大弾は不発に終わったが、投手としては今球宴最速の100・2マイル(約161・2キロ)をマークし、1回を無安打無失点で勝利投手になった。日本人では2019年の田中将大投手(ヤンキース=現楽天)以来、2人目。先発としては初だった。

 オールスター戦前日の本塁打競争は1回戦で28―31でソト(ナショナルズ)に敗退したが、過去最多の500フィート(約152・4メートル)超え6本を記録。AP通信が名前にかけて今回の球宴を「ショウヘイのためのショーケース(展示会)」と表現したほど全米に強烈なインパクトを与えた。

 それだけにMLB公式オークションサイトに出品された大谷の球宴関連グッズがとんでもない高値で入札されている。

 着用した濃紺の統一ユニホームはAP通信が「ア・リーグはパジャマを思わせた」と報じるほど選手やファンに不評だった。しかし…。大谷のサイン入りで13日夜(同14日午前)に500ドル(約5万5000円)から入札がスタート。直後は静かな動きだったが、出品情報が出回り始めた14日昼(同15日午前)頃から入札が殺到し、2000ドル(約22万円)、4000ドル(約44万円)、1万ドル(約110万円)とハネ上がり57件入札時点で3万5010ドル(約385万1100円)と70倍だ。

 ちなみに初回対戦して左飛に打ち取ったパドレスのタティスは1510ドル(約16万6000円)、史上最年少でMVPに輝いたブルージェイズのゲレロは1010ドル(約11万1000円)と大差をつけている。

 また、本塁打競争で放った10本目の本塁打ボールは100ドル(1万1000円)からスタートして39件入札時点で8530ドル(約93万8000円)が最高額で、球宴の初回先頭で先発右腕シャーザー(ナショナルズ)の初球をファウルしたボールも100ドルで開始され、36件入札時点で9010ドル(約99万円)となった。ゲレロが5回に打点を挙げた二ゴロのボールは430ドル(約4万7000円)だ。

 同サイトには球宴関連以外のグッズも出品されている。2日(同3日)のオリオールズ戦で着用した白のユニホームは36件の入札で何と7万1100ドル(約782万円)。高級車が買える金額だ。この試合で大谷は2打席連発の29、30号(サイトの説明では30、31号)を放ち、9回に好走塁でサヨナラのホームを踏むと勢い余ってグラウンドで仰向けになって両手を突き上げた。首付近は土で汚れている。

 球宴関連グッズの締め切りは米東部時間21日午後8時(同22日午前9時)、2打席連発とサヨナラ生還のユニホームは同18日午後9時(同19日午前10時)までだ。

 同サイトの落札金は、所属チームの本拠地など地域の子供たちの教育やアート、サイエンスなど様々な活動資金として活用される。規格外の二刀流。どれほどの高値で落札されるのか見当もつかない。