思わぬ余波か。タレント・ローラ(24)の父親ジュリップ・エイエスエイ・アル容疑者(54=バングラデシュ国籍)が詐欺容疑で逮捕されたことで、あの“号泣県議”こと野々村竜太郎元兵庫県議(48)がピンチに陥りそうだ。野々村氏も議員時代の政務活動費の不自然な支出をめぐり、詐欺容疑などで刑事告発されている。告発状を受理した兵庫県警の捜査次第では立件の可能性もあり、ローラ父の事件は人ごとではないだろう。

 野々村氏は議員在職中の3年間に東京や福岡、兵庫・城崎温泉などに約340回の日帰り出張を繰り返し、計約1800万円を政務費から支出したとする収支報告書を提出。不自然な出張ぶりが疑惑を呼び、釈明のため1日に開いた記者会見で号泣したシーンがテレビやインターネット上で繰り返し流され、世界中の話題となった。

 不自然な支出については、まず県議会が虚偽公文書作成・同行使容疑で告発。さらにその後「市民オンブズマン兵庫」など兵庫県の3つの市民団体が虚偽公文書作成・同行使容疑に加え詐欺容疑でも刑事告発。兵庫県警は25日、告発状を受理したことを明らかにした。

 捜査関係者は「受理した以上、捜査するのは当然」と断言。市民団体が詐欺罪でも告発したことについても「カラ出張が証明されれば当然、詐欺にあたる。立件は不可能ではない」との見方を示す。

 野々村氏は11日に辞職し、1800万円の政務費も24日までに返還している。だが、支出の詳細についてはいまだ説明しておらず、県警が市民団体による告発状の受理を明かしたのはその翌日。ということはやはり、返還すれば“一件落着”ということではないのだろう。

 そうしたなか、「ローラの父が逮捕されたことで、野々村氏立件の可能性も高まった」との見方が出てきた。

 ジュリップ容疑者は、2008年12月~09年1月、知人のバングラデシュ国籍の男が同国の病院で診療を受けたとの虚偽の申請書を東京都世田谷区役所に提出し、海外療養費約87万円をだまし取った疑いで逮捕された。ほかに、同容疑者を中心としたグループが08年12月~12年3月、各地で同様の虚偽申請を行い、計約1200万円を詐取したとみて調べている。

 ジュリップ容疑者は現在も否認を続けている。そのうえ、虚偽の診療に関与したバングラデシュの医師と口裏合わせをしたとの情報も。

「バングラデシュでの話だし、本来ならすべてを証明するのは難しい。それでも詐欺罪で立件できるのなら、野々村氏のカラ出張なんて兵庫県内の捜査だけでも証明できそう。県警にとっては何がなんでも逮捕にこぎつけないと『ローラの父を逮捕できたのに、何で野々村を逮捕できない?』と兵庫県民に言われかねないでしょう」(事情通)

 市民団体が告発した1つは、13年9月2日の出張について。大雨で日帰り出張が不可能だったにもかかわらず、城崎温泉への往復旅費1万5340円分の支払い証明書を作成して議会事務局に提出したとしている。

 その後、12年5月の東京日帰り出張に関しても、当日は午前中と夕方に県庁内にいた記録が残っていたことが分かり、不自然な出張への疑惑は深まるばかりだ。

 ローラ父、野々村氏とも、疑惑のスケールは1000万円レベル。野々村氏の一件は展開をみせるか。