【今週は三枝裕介氏】企業や自治体を狙った不正アクセスで、個人情報の漏洩被害が相次いでいる。これまでにも同様の被害が報告されてきたが、ここ数か月間での被害件数は過去に例を見ないほど多い。報道によると、不正アクセスによって流出した個人情報が闇市場で売買されているケースもあるという。

 当然、企業側もサイバー攻撃への対策を講じているが、AI(人工知能)などの活用もあって、防御側と攻撃側の〝いたちごっこ〟が続いているという。

 そんな中、株式市場ではサイバーセキュリティー関連が全体相場の急落に逆行高し、急騰劇を演じている。高値に飛び乗るのはリスクも大きいが、今後もこのテーマは折に触れて物色されることになりそうで、ウオッチリストに入れておきたい。

 東証プライムのマクニカホールディングス(3132=4902円)は独立系の半導体商社で、半導体と並ぶ2大コア事業としてサイバーセキュリティー事業を展開。同社では、海外の最先端セキュリティー商材の発掘・調達からコンサルティング、導入支援、監視・運用、有事対応までをワンストップで提供している。

 足元の業績は絶好調で、2027年3月期は営業利益が前期比24%増となる見込みだ。多くの半導体関連銘柄が崩れる中でも同社の株価はしっかりと推移しており、13日には全体相場が急落する中で上場来高値を更新してきた。チャートを見る限りでは、まだまだ上がりそうな雰囲気が漂っている。

 東証グロースのグローバルセキュリティエキスパート(4417=6730円)は、情報セキュリティー・サイバーセキュリティーに特化した専門会社。セキュリティーコンサルティングや脆弱性診断、サイバーセキュリティーソリューションをはじめ、日本初のセキュリティー全体像を網羅した教育サービスを提供している。足元の業績も良好で、2027年3月期は大幅増収増益の見込みだ。株価は13日に上場来高値を更新してきたが、チャート的な過熱感は皆無だ。

 東証プライムのトレンドマイクロ(4704=7455円)は、サイバーセキュリティーの世界的な企業。50万以上の組織と2億5000万人以上の個人ユーザーをクラウドやネットワークデバイスなどのさまざまな環境で保護している。

 足元の業績は、売上高が順調に推移しているものの、コスト増から2026年12月期の営業利益予想を8月13日に下方修正した。この下方修正を受けて、一時は大きく下落した株価だが、直近では力強いリバウンドで年初来高値を更新してきた。(株価は13日終値、次回は天野秀夫氏です)