【今週は天野秀夫氏】中東情勢を受けた原油市況や日米長期金利の動向が警戒されるも、AI(人工知能)半導体関連の上昇で日経平均の週足チャートは三角もちあいを上放れてきた。年末高への期待感が意識されるタイミングの中、目先は今月下旬から本格化する決算発表シーズンが注目される。

 一方、イベント的には、11月中旬以降と観測される対話型AI「クロード・ミュトス」を開発した米アンソロピックの超大型IPO(新規上場)が関心を高めそうだ。日本のNEC、富士通、日立製作所、メガバンクなどパートナーシップを結ぶ国内企業が相次いでいる。高すぎる性能ゆえの悪用の危険性からAI脅威論も台頭したが、これも期待の裏返しとみることができる。

 今回は話題先行型の手掛かり材料で、高い株価水準の注目3銘柄となるが、値幅取り対象となりやすい株価習性を内包している。押し目買い狙いで対応したい。

 東証プライムのNEC(6701=4927円)は、アンソロピックと日本企業として初のグローバルパートナー契約を締結し、今年4月からは企業向けAI分野での協業を開始している同社関連の中核銘柄。

 今2027年3月期第1四半期(4~6月)連結決算は前年同期比14・5%増収、66・1%営業増益と好スタートで10月28日大引け後の決算発表に期待が増す。今年1月の年初来高値6036円から調整を見た株価は5000円近辺での中段もちあい相場が2か月強経過している。

 東証プライムのトレンドマイクロ(4704=6928円)は、今年4月にアンソロピックとの提携を発表し、クロードを活用しサイバー攻撃対策とセキュリティー構築の強化を手掛けている。

 法人向けウイルス対策ソフトの国内トップ企業で世界的にも高いシェアを持つ。今2026年月期はAI利用費用の増加で減益を見込みながら、来期は費用抑制効果で増益に復帰の期待。1万2000円台にあった昨年2月高値から半値以下に株価調整を入れた日経平均採用銘柄として、相場的な出遅れ感を持つ。

 東証グロース上場の小型株であるRidge―i(リッジアイ、5572=3180円)は、今年6月にアンソロピックとの連携を発表したSBIホールディングスが筆頭株主で、同グループのAI実装を担う中核会社だ。

 9月発表の今2027年7月期連結決算予想は、前期比15・1%営業増益予想で4期連続の最高益更新見込み。6月に約3年ぶりの4000円台回復を見た後の株価調整も一巡し下値を切り上げ始めている。11月30日を期限とする自社株買いも推進中だ。
(株価は6日終値。次回は三枝裕介氏です)