【今週は三枝裕介氏】株式市場には、「10月効果」というアノマリーがある。アノマリーとは、特段の根拠があるわけではないが、高い確率で起こる規則性や経験則のこと。「10月効果」は、「相場が荒れやすい」というアノマリーだが、過去には世界的な株価大暴落となった「ブラックマンデー」も10月だったことから、「相場が下がりやすい月」として認識している投資家も多い。

 では、昨年の日本株市場はどうだったのか? 昨年9月末の日経平均株価の終値は4万4932・63円。対して、10月末の終値は5万2411・34円と、わずか1か月間で7478円も上昇した。月間の上げ幅としては歴代2位(1位は今年4月の8221円)だ。

 この時期、AI(人工知能)や半導体関連株の上昇に加えて、高市早苗自民党総裁誕生をはやした「高市トレード」で株式市場には国内外の投資家の資金が大量に流入した。足元の日経平均はすでに6月の高値から8000円近く調整しているだけに、今年も10月相場の巻き返しに期待したい。

 東証プライムのタカラトミー(7867=4152円)は、トミカやプラレールなどの玩具の製造・販売を手がける会社。アジアや北米など海外展開にも積極的で2027年3月期は増収増益の見込み。直近では、国内証券が目標株価を引き上げるなど、アナリストからの評価も高い。株価は連日のように年初来高値を更新しており、勢いが感じられる。株価は一方向に動きやすい傾向があり、ここからの伸びしろも十分にありそうだ。

 東証プライムの東海カーボン(5301=2337・5円)も年初来高値更新銘柄。同社は炭素製品の大手だが、足元では半導体製造装置用の部材が成長期入りしており、業績を牽引。8月には、2026年12月期の通期経常利益を従来の260億円から343億円に大幅上方修正したばかりだ。チャート的な過熱感もなく、緩やかな右肩上がりが継続している。多くの半導体関連銘柄が調整を余儀なくされている中で、投資家の注目度も高まりそうだ。

 東証プライムのほくほくフィナンシャルグループ(8377=838・4円)は、北陸銀行と北海道銀行を傘下に持つ金融持ち株会社。6月には、地銀最大手のふくおかフィナンシャルグループと半導体を巡る産業支援で連携協定を結んだ。足元の業績も好調で2027年3月期は、純利益で過去最高益を更新予定だ。

 同社にとっては、日銀による追加利上げペースの加速もポジティブ材料。株価は28日に上場来高値を更新したばかりだが、いまだに800円台で、10万円以内で買える低位株としても魅力的だ。(株価は29日終値、次回は天野秀夫氏です)