パワハラ問題による山中竹春前市長(54)の辞職に伴い、4日に告示された神奈川・横浜市長選(18日投開票)は7人が立候補した。全国の市で最も人口が多い都市らしく多彩な経歴を持つ候補者が出そろい、応援団も含めて、にぎやかな選挙戦となりそうだ。

 本命視されているのは自民党、日本維新の会、国民民主党の各県連の推薦、公明党市議団の支持を受ける無所属で弁護士の原沢敦美氏(59)だ。

 3歳から横浜で育ち、元ミス横浜に選ばれた。慶応大卒業後は日本航空の整備士をへて、弁護士資格を取得し、川崎汽船や東横インの社外取締役を務めてきた。第一声は司法修習を受けた横浜地裁前で行い、「また同じ場所で新たなスタートを切れるのはうれしい」とコンプライアンスの専門家として、ハラスメント問題で混乱した市政の立て直しに意欲を示した。

 第一声で妻が涙ながらに夫への手紙を読み上げたのは、立憲民主党県連が支持する無所属で中谷一馬氏(43)。元ヤンキーから菅直人元首相の秘書、県議、衆院議員へと成り上がった異色の経歴が売りで、2月の衆院選で中道改革連合から出馬したが、落選し、地元の市長選に手を挙げた。

 選挙前に掲示できる2連ポスターには元2ちゃんねる管理人のひろゆき氏を採用し、ネット上で話題となった。ひろゆき氏は泉房穂氏と新党を設立し、来年4月の統一地方選・首長選に候補者を送り込む準備をしている。中谷氏は子育て政策に重点を置いており、新党との親和性が高く、〝ひろゆき色〟が付いた場合の試金石にもなりそうだ。

 昨年8月の同市長選で3位につけた福山敦士氏(37)は今回、参政党の推薦を受け、2回目の立候補となった。元甲子園球児で、プロ野球独立リーグの四国アイランドplusに所属する「香川オリーブガイナーズ」とサッカーのベルギー2部リーグ「K.ベールスホットV.A.」を経営する会社の代表を務める。選挙に強い参政党の全面支援で、ドブ板を展開。横浜DeNAベイスターズの選手やOB、球界関係者との交流が深く、選挙中に応援などのサプライズがある可能性もある。

 街頭演説の告知などを行わず、動きが読めないのが山中氏だ。パワハラ問題で身を退いたものの今月に入って出直しを決意。〝ハマのドン〟こと横浜港ハーバーリゾート協会の藤木幸夫会長が再び支援する中で、驚かせたのが元参院議員のガーシーこと東谷義和氏とのコラボだ。「オレが評価した事が1つ! それはカジノ、IRの誘致をやめさせた事」とガーシーは山中氏がIR誘致を阻止したことを評価した。出陣式にはギャンブル依存症に悩む人や支援団体の関係者が集結し、反IR一色となっている。

「原沢氏が当選すればIRの再誘致の動きが出るとの見方があり、山中氏は再びIR反対の旗手になって、返り咲きを狙いたい考えのようです。ただ原沢氏は『IRの考えはない』と繰り返し、他の候補も一様にIR反対で争点化はしていない。それでも山中氏の知名度は高く、原沢氏陣営は警戒しています」(市政関係者)

 告示日には、建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞を受賞した建築家の山本理顕氏(81)が立候補を表明するサプライズがあったほか、共産党公認で神奈川県副委員長の浅賀由香氏(46)、市民団体代表の藤川祥子氏(51)が立候補し、熱戦となりそうだ。