黒幕存在説もあったが…。政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(59)をナタで襲撃した宮西詩音被告(32)の裁判員裁判の初公判が2日、東京地裁で開かれ、不可解だった犯行動機が明らかになった。

 宮西被告は昨年3月、東京・霞が関の歩道で千葉県知事選に立候補していた立花氏の頭部目掛けて、ナタを振り下ろし、全治3週間のケガを負わせた。

「議員を自殺に追い込むようなやつだから」と元兵庫県議の竹内英明氏が自死したことを動機として供述していたが、無職で都内の家賃4万円のアパートに居住しながらも高価な閃光弾購入や兵庫への移動など資金の出所が不明で、犯行を手引きした黒幕の存在がウワサされていた。

 公判では3歳の時に両親が離婚し、母親に育てられた生い立ちや大学卒業後、喫茶店のアルバイトをクビになった後は定職に就かずに亡くなった父親の遺産2000万円を基に生活していたことが明らかになった。

 政治に長年、不信感を抱き、東京五輪の開催で「国民に自粛を求めながら自分たちはお祭り騒ぎ」と怒りが頂点に達し、政治家の殺害を決意。ターゲットが見つからない中、昨年1月に竹内氏が自死し「立花が関与しているとの報道を見た。以前、投票したが、ふざけた行動を取っていて、票を入れた私の責任もある」と犯行に踏み切ったという。

被害者として出廷した立花孝志(自社写真をもとに生成AIで作成)
被害者として出廷した立花孝志(自社写真をもとに生成AIで作成)

 被害者参加制度で出廷した立花氏から反省の意思を問われても「ありません」と淡々。「今は失敗して良かった。もし殺害していたら(立花氏は)法の裁きを受けていなかった」と昨年11月に立花氏が竹内氏への名誉毀損容疑で逮捕され、この日の法廷では、〝被告人同士〟の立場で対峙していることに満足げな様子だった。

 一方、私的制裁は禁じられているととがめられ「法で裁けない悪人を野放しにするのも容認しないが、(殺害行為に出た)法との矛盾は解消できない」と自問する場面もあった。9日に判決が言い渡される予定だ。