阪神は7日の広島戦(甲子園)に延長11回に2―1でサヨナラ勝ちし、今季限りで現役を引退する西勇輝投手(35)の花道を白星で飾った。広島との今季対戦成績は13勝11敗1分け。セ・リーグ5球団すべてに勝ち越し、球団初の連覇を「完全優勝」で締めくくった。

 藤川球児監督(46)は西勇を「9番・投手」で先発起用した。右腕は1回1/3を無安打無失点、3奪三振。NPB歴代単独2位となる307試合連続先発を刻み、降板時には指揮官自らマウンドへ歩み寄って抱きしめた。「先発投手として美しい最後だった」。2イニング目の先頭まで続投した意図は「試合開始に間に合わないファンの方もいますから」と説明し粋な計らいも見せた。

2回、登板を終えてマウンドを降りる西勇輝は梅野隆太郎とタッチ
2回、登板を終えてマウンドを降りる西勇輝は梅野隆太郎とタッチ

 試合後の会見では「本人の中で引退を決めたということは聞いていたんですけど、自分としてはまだ全然できる(と考えていた)し、続けてもらいたかった。ローテーションにも入ってもらっていましたから」と評価。打者1人だけの登板ではなく、先発のマウンドを託した。「ファンの方から見ても、本当に辞める投手なのかという見え方だったと思うんですよ。西が立ち上がりを抑えたぞ、という見え方だった。もったいないというのと、こちらとしてはもっともっと見たかった」と惜しんだ。

 スタメンには、西勇がFAで加入した2019年に入団した近本、木浪、小幡を並べ、先発マスクは長年バッテリーを組んできた梅野に託した。その梅野が1―1の延長11回一死三塁から遊撃への適時内野安打で試合を決め「一緒にやってきた梅野が最後にね。必死で今日をリードしていましたから。いいチームワークを見られた」と目尻を下げた。

 ただ、全球団への勝ち越しを問われても指揮官は浮かれなかった。「小さなことの積み重ねをしていて、運がこちらに向いたというところだと思う。ということは、来年大変だぞということですよね」。8日のヤクルト戦(甲子園)で143試合のペナントレースは幕を閉じる。「毎日追いかけてくれたファンの皆さんに感謝の思いを持って、しっかりといいゲームができれば」。大差ではなく、小さな積み重ねで頂点に立った。指揮官の目はすでに14日からのCSファイナルステージを見据えている。