大逆転なるか。大相撲秋場所11日目(23日、東京・両国国技館)、大関安青錦(22=安治川)が幕内隆の勝(31=湊川)を押し出して快勝。8勝目(3敗)を挙げて勝ち越しを決めた。優勝争いは1敗で単独首位の横綱大の里(26=二所ノ関)を、2差で安青錦ら6人が追う展開。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(42=本紙評論家)は安青錦の相撲を分析した上で、逆転Vの可能性を指摘した。

 安青錦が優勝戦線に踏みとどまった。隆の勝に突っ張られても低い体勢を崩さない。下からあてがうように押し返して相手を下がらせると、一気に前へ出て押し出した。取組後は「しっかり下から攻めることができた。突っ張り返して、自分のペースに持っていけたので良かった。しっかり一日一番でやれている」とうなずいた。

 安青錦の相撲内容について、秀ノ山親方は「安青錦らしさが出た一番だった。隆の勝が突き放しにきたのに対して、安青錦は低い姿勢で下からあてがいながら攻め返して、相手との距離をうまく詰めていた。途中で3連敗はしたけれど、集中力を切らさずに立て直した。その後は前傾姿勢で前に圧力をかける本来の相撲が取れている」と分析した。

 大関から陥落した先場所は左足を痛めながらも、3度目の優勝と大関復帰を果たした。一方で、今場所前は負傷の影響で関取衆と稽古ができないまま〝ぶっつけ〟で本番に突入。場所中もテーピングを巻いた左足を引きずるようなしぐさを見せている。その中でも、単独首位を走る大の里を2差で追走。今の安青錦の姿は、秀ノ山親方の目にどう映っているのか。

「普通なら場所前の稽古で相手の圧力を感じておかないと本番に響く。頭の中のイメージと実際の体の動きにズレが生じるんですね。安青錦の場合は相撲の形がはっきりしているぶん、早く感覚を取り戻せているのでは。先場所で見せたように、並外れた集中力で稽古と体調面の不安をカバーしている。首位と2差だから優勝はあまり意識していないはず。淡々と自分の相撲を取っていけば、逆転のチャンスはある」

 安青錦は12日目以降へ向けて「ここからだと思っている。もちろん、最後まで盛り上げられるように頑張っていく」と気を引き締めた。驚異の底力を見せる大関の大逆転劇はあるのか。残り4日間の戦いから目が離せない。