女子プロレス「スターダム」の夏の祭典「5★STAR GP 2026」は23日の両国大会で優勝決定戦が行われ、吏南がスターライト・キッドとの激闘を制し、初優勝を飾った。19歳8か月での制覇は史上最年少。勝負を確実にしたのは、師匠にあたる故木村花さんから受け継いだ技だった。真夏の新女王が秘めていた思いとは――。

 吏南は27分3秒にわたるキッドとの大激戦をタイガーリリー(ミサイルキック&パッケージドライバー)からのPink♡Devilで制し、真夏の女王となった。

大一番でも木村花さんから受け継いだ技・タイガーリリーを繰り出した吏南
大一番でも木村花さんから受け継いだ技・タイガーリリーを繰り出した吏南

 試合後には「史上最年少、まだ早いって言ってくるヤツはいるかもしれないけど、私からしたらやっとだよ」と小学生デビューゆえに、キャリア8年目となった栄冠に胸をなで下ろす。「今スターダムでトップだと勘違いしてあぐらかいてるヤツら、これが現実だよ。これからもどんどん面白いもの見せてってやるから楽しみにしとけ!」と宣言した。

 大一番で試合の決定打となったタイガーリリーは、吏南の師匠であり、2020年5月に急死した花さんの技だ。2人はかつて花さんが結成したユニット「TOKYO・CYBER・SQUAD(TCS)」で共闘。吏南は花さんにコスチューム、技を寄せた〝ミニ花〟として活躍していた。

「自分のファイトスタイルは花さんから受け継いだもの。そのまま卒業することなく、自然と自分というレスラーを確立してきたので…。5★STARだけじゃなく、いつも(花さん)背負ってるし、戦ってます」と明かす。

 TCS元メンバー、小波との決勝トーナメント2回戦でもタイガーリリーをフィニッシュに選んだが「ここでやらなきゃいつやるんだって。(花さんは)お手本のような存在だったので、ちゃんと超えられるような存在になりたいなって、このシリーズを通して思いました」と振り返った。

木村花さん(前列中央)のユニット・TCSのメンバーだった吏南(同右=2020年)
木村花さん(前列中央)のユニット・TCSのメンバーだった吏南(同右=2020年)

 花さんは19年大会の5★STAR覇者だが「追いついたなんて全く思わないですね。私の中で花さんが本当に偉大だったので…。いつか思えればいいなって思います」と遠い背中を見つめている。「もし花さんが見てくれてたらか…。なんて言ってくれるんだろう。笑いながら『えー、すごいじゃん! 成長したね~』って軽い感じで喜んでくれるんじゃないですか」と笑顔で心を寄せた。

 吏南は「ここまでたどり着いたのは自分なので、決勝の最後は自分の技で(3カウントを)取ったんですけど、花さんから教えてもらったプロレスがベースっていうのは変わらない」と言い切る。今後の目標については「いったん今日は余韻に浸って、あさってぐらいから考えます」。若きヒロインが大輪の〝花〟を真夏に咲かせた。