若きサウスポーの変化とは――。卓球のWTTチャンピオンズ横浜5日目(8日、神奈川・横浜BUNTAI)、男子シングルス準々決勝で世界ランキング3位の松島輝空(19)が、同9位の張禹珍(韓国)に4―3で逆転勝ち。9日の準決勝では張本智和(トヨタ自動車)と相まみえる。

 最終第7ゲームは劣勢の展開を強いられ「正直、負けると思った」。一時は4点差をつけられるも、力強いフォアハンドを軸に猛追。8―8の同点に追いつくと、怒涛の8連続得点で勝利を引き寄せた。ガッツポーズで喜びを表現した松島は「なんとか相手よりも1本返すことができてよかった。なんとか食らいついて(第7ゲームを)取れた」と安堵の表情を浮かべた。

 7月上旬のUSスマッシュでは日本勢初優勝。世界ランキングも日本勢最上位となった。右肩上がりに増す注目度は、松島にプラスの効果をもたらしている。元日本代表の森薗政崇コーチは「年齢的にだんだん大人になっていく中で、たくさんの人に見てもらっているのがすごく大きい。勝利パフォーマンスを決めて、いろんな人に声がけをしてもらうことによって責任感が生まれた。普段の私生活から変わったなと思う」と明かす。

 年齢を重ねる中で、松島に感謝の気持ちを芽生えた。普段の練習や食事などを「チーム輝空」がサポート。この日も試合後には、周囲への思いを伝える場面が何度もあった。自国ファンの熱い応援について「たくさんの応援が踏ん張れた要因」と話し、森薗コーチの存在は「負けている時でも勝っている時でも、たくさん大きな声で応援してくださる。それが本当に力になっている」と口にした。

 今大会はライバルの中国勢がすでに全滅。世界ランキング1位の王楚欽と同6位の林詩棟は出場しておらず、卓球関係者は「今回は優勝のチャンス」と期待を寄せている。最終日も自分のプレーに集中し、次なるタイトルを引き寄せる。