米・英政府の経済制裁対象となっているカンボジアの中国系詐欺組織「プリンス・グループ(太子集団)」の幹部とみられる男女3人が日本で虚偽の転入届を提出したなどとして、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで警視庁に逮捕されたことが22日、分かった。
中国出身でキプロス国籍の胡石(フー・シー)容疑者(44)が4月20日に東京都中央区に転居したという虚偽の住民異動届を提出した疑いで、今月14日に逮捕されていた。他に逮捕されたのは、いずれも中国籍の会社員、李垠宏容疑者(31)と郝鳳至容疑者(36)。
胡容疑者は東京都千代田区の企業で代表取締役を務める一方、プリンス・グループ幹部とみられている。
米政府は同グループを「アジア最大級の国際犯罪組織の一つ」と位置付け、米司法省は2025年に、通信詐欺、資金洗浄、強制労働を伴う特殊詐欺拠点の運営などで起訴している。
中国外務省は「オンライン賭博や特殊詐欺の取り締まりは国際社会共通の責任であり、周辺国と中国が法執行協力を強化することを望む」とコメントした。
同グループは表向きは、カンボジアに本拠を置き、不動産や金融事業などを世界各地で展開している企業グループ。しかし、裏では、SNSで高額報酬をうたう偽求人で勧誘した世界中の人々を監禁し、それぞれの国への特殊詐欺に関与させていたとされる。米司法省や米財務省の発表から推定すると、監禁されて暴力や拷問の脅しを受けながら特殊詐欺をやらされていたのは、日本を含め世界20~50か国から累計で数万人とみられる。常時数千人が稼働していたようだ。数兆円規模の犯罪収益を得ていた。
グループの創業者は、福建省出身の陳志(チェン・ジー)容疑者で、「特殊詐欺王(電詐之王)」とも呼ばれ、今年1月にカンボジアで逮捕され、北京へ移送されて捜査を受けている。胡容疑者は、陳容疑者の指南役とみられる。
中国政府は近年、ミャンマーやカンボジアを拠点とする国際特殊詐欺組織に対して極めて厳しい姿勢を取っており、主犯格に無期懲役や死刑判決が出た例もある。しかし陳容疑者については、現時点では「捜査中」または「起訴準備段階」と報じられており、起訴内容や量刑方針は公表されていない。











