フィリピンを拠点にした暴力団系の日本人グループ「JPドラゴン」の主要メンバーが全員逮捕され、事実上壊滅したとみられる。JPドラゴンの存在は、フィリピンの入国管理局ビクタン収容所からスマホで日本人の実行役に強盗を指示していた「ルフィ事件」によってクローズアップされた。一体何者だったのか。
福岡県警は10日、日本国内の高齢者からキャッシュカードを盗んだとして、JPドラゴンの三本竹(さんぼんちく)朗容疑者(27)ら6人を、成田空港に移送中の航空機内で逮捕した。フィリピン入国管理局が5月に拘束し10日、強制送還した。
また、フィリピン当局は6月4日、JPドラゴンのリーダー吉岡竜司容疑者(55)を拘束しており、身柄引き渡しを調整している。福岡県警が窃盗容疑で逮捕状を取得していたため、日本側がフィリピンに捜査協力を依頼していた。
JPドラゴンの存在が浮上したのはルフィ事件がきっかけだ。2022年5月ごろから、「ルフィ」などと名乗るグループがSNSで困窮した実行役を募り、遠隔操作により日本で貴金属強盗や住宅強盗を起こさせていた。23年1月に狛江強盗殺人事件が発生したことで、いよいよ本格的に捜査が進展。「ルフィ」グループがフィリピンにいることが発覚し、その背後にJPドラゴンがいることが分かった。JPドラゴンとは、ジャパン、フィリピン、竜司に由来する名前だとされる。
元警察関係者は「ルフィグループは日本、タイ、フィリピンと拠点を変えながら、特殊詐欺を行っていました。JPドラゴンは、暴力団と関係がある吉岡容疑者が10年以上前からフィリピンに根城を構え、表向きはレストラン経営、裏では特殊詐欺やオンライン賭博、マネーロンダリングを行っていました。JPドラゴンの後にルフィグループがフィリピン入りしたので、JPドラゴンが上納金を要求していたとみられます。ルフィグループからJPドラゴン入りして幹部になったメンバーもいます」と語る。
フィリピン政府系メディアは5月、今回の逮捕メンバーを拘束時「JPドラゴンの主要人物の逮捕は政権にとって大きな勝利だ。フィリピンにおける彼らの存在を解体した」と伝えた。
さらに6月の吉岡容疑者の拘束時には「日本人マフィア組織のリーダーを捕まえたのは、フィリピン政府とフェルディナンド・マルコス大統領政権にとって大きな勝利。フィリピンが逃亡者にとって安全な避難場所ではないという明確なメッセージだ」と報じた。
フィリピンではJPドラゴンは壊滅したとみられる。元警察関係者は「フィリピンでは、警察や政府関係者に賄賂を渡せば何とかなるというのがJPドラゴンなど日本人犯罪者の定説でしたが、ルフィグループの強盗殺人事件により、日本政府がフィリピンに捜査協力を依頼したことで、事実上壊滅しました」と指摘する。
とはいえ、現在もラオスやカンボジアなどから日本国内をターゲットにした特殊詐欺事件が起きている。JPドラゴンなどでノウハウを得た犯罪者たちは海外を拠点にし、リゾートバイトなどと偽って日本人を呼び寄せ、特殊詐欺を続けている。











