高市早苗首相の陣営が暗号資産「SANAE TOKEN」(サナエトークン)や誹謗中傷動画の作成、拡散に関与していた疑惑で22日、高市首相は「総理としての業務時間を確保できなくなっている」と泣き落としに出た。相当の急所であることを自ら露呈したことで、野党側は追及に血気盛んになっていて、終盤国会は大荒れ必至となってきた。
衆院予算委員会で中道の後藤祐一衆院議員は、高市首相の秘書とサナエトークンの発行・運営に携わった松井健氏とのLINEグループを作成したかを尋ねた。すると高市首相は「ここ何か月も外交・安全保障、経済対策、成長戦略に向けて、歯を食いしばって働き続けてきた」と自身の仕事ぶりをアピールした上で「他の候補を誹謗したり中傷したりする行為を第三者に依頼して行うことはあり得ない。サナエトークンも3月2日までその言葉を聞いたこともない。私も事務所も暗号資産として発行され、取引されることを承認したことはない」とタンカを切った。
一方で野党からの追及が相次いでいることに「私の総理としての業務時間も残念ながら確保できなくなってきており、近日中に奈良の秘書の陳述書と暗号資産に関する記述などどこにもない相手企業からの提案書を予算委理事会に提出させてください。それをもって、本件に関する詳細な問いへの答弁とさせていただきたい」と提案。その後も質問を重ねる後藤氏に「それ(陳述書)をもって、なんとか答弁に代えさせていただけませんか?」と懇願までしてみせた。
サナエトークンに端を発する一連の疑惑で、高市首相は答弁で矛盾が生じ、整合性が取れなくなっており、国会答弁を訂正する事態に陥っていた。各世論調査では高市首相が疑惑への説明責任を果たしていないとの見方が多く、内閣支持率も下落傾向だ。6月の調査ではFNNこそ65・3%と65%を超えたものの、政権発足後最低の数字となった。また、共同通信の調査でも55・8%と発足後最低、時事通信の調査でも54・3%と、やはり発足後最低を記録している。
与党は今国会で衆院定数削減や皇室典範改正、副首都法案など重要法案を成立させたい方針だが、自民党の鈴木俊一幹事長は7月17日までの通常国会について、会期を延長しない意向を示した。
「ネット上では松井氏の経歴やメディアに提供している証拠に疑義があり、信ぴょう性が低いことや週刊誌のネタを材料にしている野党側を批判する論調が多いが、高市首相の秘書も松井氏との関係を認める回答書を過去に出していて、分が悪い。高市首相は近日中に答弁書を提出すると言えば、時間稼ぎができる。今国会はなんとか時間切れに持ち込みたい考えでしょう」(永田町関係者)
この日の高市首相の逃げの答弁を受けて、野党側は一連の疑惑追及に手応えをつかんだ。秘書の陳述書での回答を拒否し、従来通りに参考人招致を求めた上で、7月に衆参両院の予算委員会での集中審議の開催を求めるなど攻勢に出ている。
高市首相は今後も苦しい答弁が続きそうで、支持率がさらに下落し、50%を割る事態もあり得る状況となってきた。











