数字はウソをつかない。だからこそ、今の新井鯉には残酷だ。広島は19日、ヤクルト戦(神宮)に2―9で大敗し、リーグ戦再開初戦を落とした。この敗戦で23勝37敗3分けの5位。借金は14に膨らみ、4位DeNAとは1・5ゲーム差、最下位・中日とは2ゲーム差と、下を気にしながら上を追う苦しい立ち位置に置かれている。

 勝負どころは両軍無得点の4回だった。先発のターノックがつかまり、連打でピンチを招くと、内野陣の野選、悪送球も重なって傷口は一気に拡大。この回だけで5点を失い、試合の主導権を手放した。ターノックは4回6安打5失点、自責4で4敗目。新井貴浩監督(49)も試合後「ミスが絡むと大量失点につながる」と苦い表情で振り返るしかなかった。

 これで6月は5勝7敗1分け。3・4月、5月はいずれも9勝15敗1分けで、勝率はともに3割7分5厘だった。開幕カードの中日3連戦で記録した3連勝を最後に、長い上昇気流はつかめていない。5月29日以降は2ケタ借金が常態化し、交流戦明けで反攻の号砲を鳴らすどころか、再び同じ負け方を繰り返した格好だ。

 新井政権は就任4年目。若手を我慢強く起用しながら土台をつくる方針は理解されてきたが、結果が伴わなければ視線は厳しくなる。球団関係者は「この先、春先とは違う結果を出せるか。昨年まではこの時期まで勝率5割前後で、夏場以降に大きく負け越す傾向があった。交流戦後に潮目を変えられれば、若手強化の取り組みが実を結びつつあると見てもらえるのではないか」と期待する。

 確かに過去2年は一昨年が9月、昨季が7月の失速でBクラスに沈んだ。今季は逆に、ここから右肩上がりの数字を示せれば、順位以上に見え方は変わる。だが、このままなら話は別だ。現在のペースは単純計算で84敗前後。2010年以来の年間80敗以上も現実味を帯びる。

 必要なのは言葉ではない。新井鯉は〝進歩〟を、白星という数字で示すしかない。