泥沼の再建球団に、反転の象徴が現れた。アスレチックスのザカリー・ゲロフ内野手(26)が、メジャー屈指のホットヒッターとして存在感を増している。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は16日(日本時間17日)、「現在のMLBで最も好調な打者の一人」として特集。低迷続きだったチームを支えるキーマンに焦点を当てた。
アスレチックスは近年、惨状に近かった。2023年は50勝112敗、24年も69勝93敗。昨季は76勝86敗まで戻したとはいえ、ポストシーズンには届かなかった。しかしながら今季は大幅改善の兆しが見えてきている。
17日(日本時間18日)のパイレーツ戦(サターヘルス・パーク)を4―12で落とし、36勝38敗の借金2。得失点差はマイナス51と投打の粗さは残る。それでもア・リーグ西地区では首位マリナーズと1・5ゲーム差の2位に食い込み、ワイルドカード争いでも3枠目のブルージェイズと同率に踏みとどまっている。
その粘りを象徴するのがゲロフだ。この日のパイレーツ戦では大敗ムードの9回に本塁打を放ち、現在継続中のものとしてはメジャートップとなる連続試合安打を21に伸ばした。昨季、ロイヤルズのボビー・ウィット・ジュニア内野手(26)がマークしたメジャー最長の22試合にも、あと1試合と迫る快進撃だ。ON SIによれば、20試合連続安打の時点で打率3割7分2厘、長打10本、11打点。短期的な爆発ではなく、打線の中で試合を動かす長打力まで取り戻している点が大きい。
苦い過去もある。ゲロフは23年のメジャー昇格後、69試合で14本塁打、OPS・840と鮮烈なデビューを飾った一方、24年は打率2割1分1厘、17本塁打、49打点、OPS・632に沈み、188三振はア・リーグ最多。粗さばかりが目立った。だからこそ今の連続安打は、単なる好調以上の意味を持つ。三振に揺れた若手が、対応力を身につけて戻ってきた証しでもある。
守備でも三塁起用が増え、チーム内の編成事情にフィットしている。攻撃面では長打を出し、守備面では内野の穴を埋める。再建途上のアスレチックスにとって、ゲロフの成長は補強に匹敵する戦力上積みだ。まだ借金生活、まだ不安定――。それでも地区2位にしがみつく今季のアスレチックスには、これまでとは違う粘りがある。その中心でバットを振る26歳が、低迷球団の景色を少しずつ変え始めている。












