高市早苗首相の陣営が、自民党総裁選や衆院選で他陣営を中傷する動画を作成、拡散していたとされる「ネガティブキャンペーン動画疑惑」を巡り、国会審議は異例の展開を見せている。
ネガキャン動画を巡っては、作成を告白した松井健氏に対し、高市首相はこれまで秘書への聞き取りを踏まえ「(松井氏と)面識がない」「(やり取りの)記録がない」と疑惑を否定していた。
しかし、文春オンラインは3日、高市首相の秘書と松井氏がZoomでやり取りしたとされる約2分半の音声を公開。これを受け、4日の衆院予算委員会で中道改革連合の伊佐進一議員は「音声が秘書本人かどうか確認してほしいとお願いしていた。結果いかがでしたか?」と質問した。
これに対し、高市首相は台風対応などで多忙だったとした上で、「質問通告を見たのは今朝方3時半ごろ。ご指摘のオンラインというものを確認しようとしたら会員制の有料。(文春は)私のイメージ操作をして報道してきたところなので、有料会員になろうとは思わなかった」と答弁。音声の確認自体をしなかったことを明かした。
この答弁に伊佐氏はがくぜん。「何のための質問通告ですか。今国会でSNS規制を議論している中で、まさに総理の周辺で起きていること。役所の方にもお願いしている。それは通らない」と、手持ちの音声をその場で聞くよう要求した。
結局、昼の休憩中に確認する流れとなったが、高市首相は午後の審議で「有料のものを他人に聞かせてはいけないという規約に抵触してはいけないと思い、文字起こしをしてもらった。他候補を批判する動画の作戦とかの内容ではなかった」と釈明。肝心の秘書の声かどうかという真贋には言及を避けた。
中道の長妻昭衆院議員は文春側の許可を得たとして、5日の参院予算委員会までに音声を確認するよう改めて要求。立憲の岸真紀子参院議員が追及する手はずとなった。
中道の小川淳也代表は、首相が「有料」を理由に確認を拒んだ姿勢について、「総理の答弁としては極めて稚拙、幼稚と捉えかねない。総理としての資質が問われている」と断罪。折しも、政府がインテリジェンス(情報収集、分析)機能を強化する「国家情報会議」や「国家情報局」を新設するタイミングだ。
「不都合でもフェアに判断する政治家の基本的資質に疑いが生じている」と批判し、首相の答弁次第では秘書の参考人招致を求める意向を示した。
一方、渦中の「週刊文春」はホームページ上で「高市首相が言及した『有料オンライン』とは『週刊文春 電子版』のことだ。有料会員になると、『Zoom音声』など電子版限定コンテンツも視聴することができる。高市首相は会員になる方法について『その方法もありませんでした』と述べたが、クレジットカード決済で簡単に加入することができます」と高市首相を皮肉った。
ネット上では「有料会員」がトレンド入りするなど、国会を舞台にした騒動は皮肉交じりの関心を集めている。












