【プレイバック1994米国W杯#5】1994年の米国W杯では衝撃的なゴールを目にした。それはグループリーグ第3戦のベルギー対サウジアラビア戦(6月29日)で生まれた。
前半5分、自陣でボールをもらったサウジアラビアのFWアル=オワイランはそのフィールド中央ドリブルで突破。猛スピードで疾走し、5人を抜き去りそのままゴールを決めたのだ。およそ70メートルを独走する5人抜きのスーパーゴールにスタジアムの大観衆はどよめき、興奮のるつぼと化した。
1986年のメキシコW杯のイングランド戦でディエゴ・マラドーナが決めた、伝説の5人抜きゴールをほうふつとさせる驚愕のゴールで、間違いなく米国W杯のベストゴール。このゴールでオワイランは“砂漠のマラドーナ”と呼ばれるようになった。
試合はこれが決勝点となり勝利。サウジアラビアはアジア勢としては1966年のイングランド大会の北朝鮮以来、28年ぶりの決勝トーナメント進出を決めたのだった。
試合後、オワイランは「我々の力はこんなものじゃない。これで満足はしない。もっと上を目指すんだ」と胸を張って答えた。
残念ながら日本は“ドーハの悲劇”で米国W杯出場を逃したが、アジアの代表の国の選手がW杯で歴史的なゴールを決めたというのは誇らしく、また羨ましくも思ったものだ。
サウジアラビアは決勝トーナメント1回戦で惜しくも敗れたものの、間違いなくW杯で大きなつめ跡を残したのだ。














