かつて〝闘将〟と呼ばれた指揮官の意識改革とは――。バレーボールのSVリーグ女子チャンピオンシップ決勝第2戦(26日、神奈川・横浜BUNTAI)で、SAGA久光は大阪Mに3―0でストレート勝ちを収め、4季ぶり9度目の栄冠に輝いた。

 チームの優勝は2021―22シーズンが最後となっていた中、今季から中田久美監督(60)が10季ぶりに指揮官として復帰。試合後の会見では「うれしいというか、安堵。優勝以外認められないという覚悟を持って現場に戻ってきた」とV達成の心境を語った。

 かつては厳しい指導から〝闘将〟とも呼ばれ、21年東京五輪では女子日本代表を率いた。しかし、1次リーグ敗退で挫折を経験。同五輪後からの道のりについて、中田監督は「最初は自分がやってきたことを、全て捨てないと次に行けないと思った」と途方に暮れた当時を振り返る。

 指導者としてのあり方に悩む中で、転機となる出来事があったという。「大学(東大エグゼクティブ・マネジメント・プログラム)にも行き、フランス哲学の先生に『変わるためには、やってきたことを全て受け入れなければならない』という助言をいただいて、それがストンと入った。そこから自分のやってきたこと、今の選手に対してのリスペクト、多様性などを受け入れられるようになった気がする」と明かした。

 現在の指導については「私ももう還暦なので、丸くなった」と苦笑いしながら「彼女(選手)たちも考えてなさそうで、いろいろなことを真剣に考えて取り組もうとしている部分もよくわかる。ダメなものはダメと軌道修正するが、認めてあげることも大事。何をすべきかは考えてもらい、向き合わせるのも大事」と力説。選手の自主性を尊重する新スタイルで、来季もチームを頂点に導く。