巨人の田中将大投手(37)が16日の阪神戦(甲子園)に先発し、6回7安打3失点でチームを4―3の勝利へと導き今季2勝目を飾った。楽天時代の2010年5月16日以来、実に16年ぶりとなる甲子園での阪神戦勝利。野茂英雄氏の記録を超える日米通算202勝目も手にしたベテラン右腕が、移籍2年目となったGのユニホームで聖地を沸かせた。

 シーズン中の阪神戦、しかも甲子園での登板は巨人移籍後初めてだった。開幕から2試合で1勝、防御率1・42と安定感を示していた右腕は、この日も立ち上がりから重圧のかかるマウンドに立った。初回、3―0と援護をもらった直後に阪神・佐藤輝に4号2ランを浴びたが、そこで崩れなかったのが今の田中将の強みだ。5回には中野の犠飛で1点を失ったものの、大量失点は許さず、走者を背負っても丁寧にしのいだ。

 決して内容一辺倒の快投ではない。毎回のように走者を出し、球数もかさんだ。それでも6回を投げ切り、失点は3にとどめた。試合を壊さず、勝てる流れを手放さない。そうした投球術こそ、百戦錬磨の右腕が今なお一線級でいられる理由でもある。

 試合後は「今日はなかなか狙ったところにボールが行かなかったっていうのが一番でしたけど、その中でも丁寧に丁寧にっていうところは意識した。きっしゃん(岸田)といろいろ話し合いながら工夫して投げていくことはできたかなと思います」と振り返った。バッテリーを組んだ岸田との呼吸もかみ合い、修正しながら試合をつくった。

 ベテランに残されていた「最後の課題」を片づけた意味も大きい。日米通算200勝到達を目指した昨季は、セ・リーグ5球団のうち阪神とだけ対戦がなかった。ローテーションや相手打線の状態、球場の特性を踏まえた起用だったが、チーム関係者の間には田中将のタイガース戦での先発起用に対し「阪神打線はエース級でも簡単には抑えられない。調整途上にあるベテランを当てる利は薄い」と昨季までは慎重論が漂っていたのも事実だ。

 それでも、今季のリーグ制覇を狙う上で阪神攻略は避けて通れない。だからこそ、田中将がこの舞台で結果を残した意味は重い。セ王者相手にも十分に渡り合えることを示した今、打倒・阪神の切り札として快進撃を続けられるかが注目される。