投げても売れ、打っても売れる。米大リーグ機構がMLB公式サイトで26日(日本時間27日)に発表した最新の人気ユニホームランキングは、投打二刀流を地で行く大谷翔平投手(31=ドジャース)が1位、山本由伸投手(27=ドジャース)が2位と、日本人コンビのワンツーで幕を開けた。

 もっとも、米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」が目を向けたのは、その先だ。順位表の中で異彩を放っているのは、4位に食い込んだカル・ローリー捕手(29=マリナーズ)と、12位に入ったキケことエンリケ・ヘルナンデス内野手(34=ドジャース)だった。ランキングは2025年ワールドシリーズ終了後以降、MLB公式ショップなどの関連通販サイトでのナイキ製ジャージ販売実績数を基に集計されたという。

 ローリーの4位は、単なる番狂わせではない。昨季は60本塁打、125打点を記録し、本塁打王にも輝いた。しかも捕手として放った60発は、それ自体が歴史的なインパクトを帯びる数字だ。ON SIが「初のトップ10入り」を強調したのも人気だけが先行したのではなく、打者としての実績と存在感がユニホーム売り上げにもはっきり結びついてきたからだろう。大谷、山本に続く4位という並びは、スターの知名度だけでは測れない「実力人気」の台頭を物語っている。

 一方でドジャースの異様なまでの人気拡大を映しているのが、12位にランクインしたキケの存在だ。大谷、山本、ムーキー・ベッツ内野手(33=ドジャース)、フレディ・フリーマン内野手(36=ドジャース)に続く球団5人目のトップ20入り。絶対的主役でも不動の中軸でもないユーティリティーの便利屋がここに割って入るのは、選手個々の知名度だけでは説明しにくい。チームそのものが巨大なブランドと化し、スター軍団の熱狂が〝脇役の背番号〟まで売れ筋に変えてしまった格好だ。

 大谷の1位は、もはや驚きではない。だからこそ今回のランキングで見逃せないのは、その背後で起きている変化だ。ローリーは実績が人気に直結した新たな主役候補であり、キケのランクインはドジャースという球団の支持率急騰ぶりを示すサインでもある。

 加えて人気ユニホームの順位表は、単なるグッズ情報ではない。今このタイミングで誰が空気を動かし、どの球団がファンの心理までのみ込んでいるのか――。そうした流れを明確に数字化し映し出す、もう一つの勢力図になっている。