香港の九竜地区のオフィスビルにある金店で20日、金の延べ棒73本(約9300万香港ドル=約19億円)が盗まれた事件で、香港警察は男女5人(男4人、女1人)を窃盗容疑で逮捕し、すべての金を回収した。警察は22日、5人を窃盗罪で暫定起訴したと発表。23日に九竜城裁判法院で審理され、正式に起訴するか判断するという。

 香港の金がらみの強盗といえば今年1月、東京・上野や香港で金を購入するために現金を運んでいたグループが連続して襲われ、香港で5100万円を奪われた事件があり、同月に男女6人が逮捕された。香港に渡る前に上野で現金4億2000万円が奪われた事件では、3月に日本の暴力団員ら7人が事後強盗容疑で逮捕された。今回も暴力団が関係しているのか。

 香港メディア・香港01によると、今回の19億円窃盗事件では、金店の女性従業員が姜(ジャン)という男と店内で73本の金の延べ棒の取引をしていたという。姜が延べ棒の確認作業中「秘密にする必要がある」として、他の従業員2人を退出させた。

 金店の責任者の元ビジネスパートナーだった張(チャン)が男女を連れだって店内に押し入り、「店の責任者の借金の取り立て」と称して取引を妨害した。張と女がかき乱し、男が隙を見て延べ棒をスーツケースに詰め込んだ。その間、さらに他の男が外で見張りをしていた。その後、張と女らと姜、見張りの男が2台の車で逃走した。従業員は追い掛けたが失敗し、警察に通報した。結果、姜、張ら5人が逮捕された。事件時、責任者は不在だった。

 中国事情通は「店の内部事情を知る張が主犯で、取引者の姜が協力者、他が実行役と見張り役という計画的な犯罪です。ただ、足が付きやすい金をそのまま盗んだ上に警察にすぐ回収されたところや、元ビジネスパートナーですぐに容疑者に浮上してしまう張が現場にいたところから、窃盗後のプランが甘く、日本の暴力団がからむ犯罪ではないとみられています。巨額の犯罪ですが、国際的犯罪ではなく、ビジネストラブルの延長の犯行に近い感じで捉えられています」と指摘している。

 日本の暴力団は関係なさそうだ。