【イタリア・ミラノ19日(日本時間20日発)】ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)1位の坂本花織(25=シスメックス)が147・67点、224・90点で銀メダルを獲得。2大会連続の表彰台を勝ち取ったエースは、五輪2大会連続出場でプロスケーターの鈴木明子さんが現役最終年に演じた「愛の讃歌」を披露し、世界中のファンを魅了した。

 坂本が「愛の讃歌」を演じることを鈴木さんに伝えたのは、昨年6月のアイスショー「ドリーム・オン・アイス」前だった。

 かねて坂本は鈴木さんを憧れのスケーターと口にしてきた。だが、一報を聞いた時の鈴木さんは驚きの方が大きかったという。鈴木さんは本紙に「(2014年)ソチ五輪シーズンのSPを見て、私もやりたいって思うほどずっと思い続けていたとは思わなかった。月日を重ねると他にもいい演技を見て『やっぱりこれもやりたい』とか出てくると思うのに、ずっと変わらなかったのはうれしい」と声を弾ませた。

 鈴木さんの演じた「愛の讃歌」は、坂本の脳裏に今でも深く刻まれている。「明子さんも最後のシーズンで、ステップの時や表情とか、動きに愛があふれすぎていて、そこに多分当時引き込まれた」。鈴木さんからバトンを受け継いだ坂本は、イタリアの地で「坂本花織」の「愛の讃歌」を舞った。

 現地で解説として坂本の「愛の讃歌」を見守った鈴木さんは「『愛の讃歌』と言えば、坂本花織のあの演技だねっていう風に、世の中の記憶に長く残ることを願っている」。フィギュア界の歴史は着実に受け継がれている。