ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子で個人の中立選手(AIN)として出場するロシアのアデリア・ペトロシャンを、〝疑惑の名伯楽〟エテリ・トゥトベリーゼ氏が〝指導〟していることが騒動となったことを受けて、国際オリンピック委員会(IOC)が競技実施の際は指導の禁止を決定。この方針にロシアメディアが猛反発している。
ウクライナ侵攻によりロシア選手が国際大会に出場禁止となり、今回は中立選手として出場が認められたが、国際大会に出ていないペトロシャンは謎のベールに包まれたまま。そうした中、ペトロシャンは17日の女子ショートプログラム(SP)を前に、16日に初めて練習を公開。しかしここで、議論を呼ぶ出来事があった。前回2022年北京五輪でドーピング違反となったカミラ・ワリエワを指導したロシア屈指の指導者トゥトベリーゼ氏がリンクサイドに登場。ペトロシャンに熱心にアドバイスして〝指導〟を行ったのだ。
トゥトベリーゼ氏は今大会にジョージア代表コーチとして資格認定されており、ペトロシャンの正式なコーチではない。そのため、ペトロシャンへの指導は規則違反にあたると欧米各国メディアが追及したのだ。
そしてSP当日に、事態が動いた。ロシアメディア「スポーツエクスプレス」は「ペトロシャンとトゥトベリーゼの関係をめぐる状況は、混乱の種となっている。当初IOCは問題を否定していたが、後に、この伝説のコーチが競技中に彼女の愛弟子を指導することはできないことが明らかになった」と速報した。
ロシア国営通信社「タス通信」によると、この問題に関してIOCのマーク・アダムス広報部長が最初は「彼女はヘッドコーチではないことは明らかだし、コーチが他の選手を支援することは当然のこと。アメリカ人専門がロシア人選手を支援した事例もある。だから禁止する規則もない」とトゥトベリーゼ氏のペトロシャンへの指導を認めた。
しかし直後に方針を一転。同広報部長は「トゥトベリーゼはジョージアのパスポートに基づき、ジョージアオリンピック委員会のコーチとしてオリンピックへの出場資格を得ていたため、身元調査が不要だった」とした上で「競技中、選手は所属チームの認定代表者からのみ指導を受けることができる」とジョージア代表コーチとして資格認定されたトゥトベリーゼ氏がペトロシャンを公式競技中に指導することはできないとの方針を明確にした。
すると、この決定にロシアでは一斉に反発の声が上がった。「スポーツエクスプレス」は「フランス人振付師兼コーチであるブノワ・リショーの状況は特に滑稽だ。日本の坂本花織、ジョージアのニカ・エガゼ、アメリカのマキシム・ナウモフ、ドイツのミネルバ・ハーゼとニキータ・ボロディンを含む、13か国16人のフィギュアスケーターを指導している。IOCの立場が一貫していて正しいなら、リショーはすべての代表チームから認定されていることになる」と反論。IOCはリショー氏に複数国のコーチ認定をしているので、トゥトベリーゼ氏にそれを認めないのは〝ダブルスタンダード〟として批判を展開した。
女子SPを前にロシアから出場するペトロシャンを巡って、きな臭いムードが漂っている。












