春季キャンプを目前に控える中、ブルージェイズの補強熱が再びざわつき始めた。米メディア「ファンサイデッド」は、今オフに先発陣と打線へ「大きな手当て」を進めてきたトロントが最後の仕上げとして〝もう1枚〟の先発投手を加えるシナリオを示している。その焦点は、ズバリ「左腕」だ。
ブルージェイズはすでに高額級の先発陣を抱え、ローテーションの枚数そのものは足りている。しかし、同メディアが問題視するのは「質」ではなく「配列」である。現状のローテは右投手に偏り、短期決戦になれば相手に準備されやすい。そこにタイプの違う左が入れば、カードの切り方が一気に増える――。
昨年のポストシーズンでは頂上決戦まで勝ち進みながらも、ワールドシリーズ第7戦でドジャースに敗れて辛酸をなめたブルージェイズだけに「2025年とは違う〝大きな変化〟が必要である」と同メディアは読み解く。
そこでトレード獲得の〝標的〟として名前が急浮上しているのが、ロイヤルズの左腕クリス・バビク投手(28)だ。昨季は20試合に先発し、8勝7敗、防御率2・55という安定感で存在感を示した。制球と投球術で試合を組み立てられる左が、すでに厚い先発陣に加わればトロントは〝盤石〟から、さらに〝一段上の完成形〟へ近づく。
見逃せないのは、ブルージェイズが今冬に経験した「取り逃し」の記憶だ。FA大物外野手・タッカーの獲得に動きながら最終的に、世界一の座を目の前で奪われたドジャースにまたも屈した。その反動は同メディアが記事内でも指摘している通り、確かに「次の補強をより攻撃的にする裏付け」にはなるだろう。実際に資金力のあるトロントは、攻めの一手に踏み込むだけの背景がそろっている。勝てる年に、勝負手を打つ。そのような常勝軍団へ変貌しつつある。
ブルージェイズが欲しているのは「必要最低限の補強」ではない。右腕中心のローテに左の〝異物〟を差し込み、相手の対策を揺さぶるための勝ち筋の上積みである。タッカーを怨敵ドジャースに奪われた悔しさを〝投手王国化〟に転換できるか――。トロントの次のほこ先は、打線ではなくマウンドに向く可能性がある。












