新日本プロレスの高橋ヒロム(36)が、11日大阪大会を最後に退団することが3日までに分かった。2010年8月にデビューし、今や日本プロレス界のジュニアヘビー級を代表する存在。今後は海外マット進出の可能性が浮上しそうだ。取材に応じたヒロムは〝新たな夢〟が生まれたからこその「スーパーポジティブ退団」であることを明かした。
関係者の話を総合すると、ヒロムは新日本との契約が満了する1月末までに、2月以降の契約を更新しない意向を伝えたため退団が決定。出場が発表済みの今シリーズ限りでセルリアンブルーのマットを去ることになり、11日大阪大会がラストマッチとなる。
2010年8月にデビューしたヒロムは、実に約3年半にも及んだ海外武者修行から16年11月に凱旋すると、師匠・内藤哲也の「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)」に加入。一躍大ブレークを果たした。IWGPジュニアヘビー級王座を5度戴冠、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」を歴代最多4度の優勝と、人気・実力ともに新日ジュニアの頂点に君臨した。
近年の新日本は24年にオカダ・カズチカ(現AEW)、25年に内藤哲也と看板選手の退団が相次いでおり、今年の1月末にはEVILの退団も発表された。生え抜きスターのヒロムの退団は団体にとっても大きな痛手に違いないが、本人の意思が尊重された格好だ。
国内盟主団体を去るとなると、次の選択肢には必然的に海外マットが入ってくるため、世界最大団体WWEや米メジャー団体AEWが候補に挙がりそうだ。一方で、昨年5月に退団した内藤のようにフリーとして活動する道も残され、今後の動向に注目が集まる。
レスラー人生最大の決断を下したヒロムは取材に応じ「(新日本に)不満があって辞めると思われるのだけは否定したいですね。どんな社会人だって、自分の会社に不満があるのは当たり前だと思うんですよ。だからこそ、そんな単純な理由で辞めたと思われたくないです」と胸中を告白。「自分は向上心を持った上で辞めるんです。スーパーポジティブ退団です」と明かした。
新日本プロレスに強いこだわりを持ち続けてきたヒロムは「ジュニアヘビー級としてIWGPヘビー級のベルトを巻く」「地上波ゴールデンタイムで試合をする」という2つの〝夢〟を長年公言してきた。
「その夢は変わらずにあります。ただその上で、もう一つ夢が増えたんです」と具体的な言葉こそ避けたが、新たな目標が生まれたことが退団の決め手になったと示唆。「自分としては新日本プロレスを辞めるのは、心のどこかでは絶対に後悔すると思ってるんです。でもその後悔よりも、ここで次に進まなかった方が後悔するんじゃないかと。さらにプロレスラーとしてステップアップするために動きました」と言い切った。
今回の退団は、決して内藤やEVILといった縁深いレスラーたちの去就に影響を受けたわけではなく、あくまでもヒロム個人がレスラーとしての新しい夢を追い求めた結果だ。ヒロムは「オカダさんと中邑(真輔=現WWE)さんが辞めた36歳っていう年齢も、めちゃめちゃ引っかかっていたところなんです。36歳は(新たな挑戦をする上での)一つのラインなのかなって」と葛藤と熟考を重ねてきた上での行動だと強調した。
ともあれ、ヒロムが歩み始める新たな道が、国内外のプロレスファンから注目を集めることは間違いない。日本が世界に誇る時限爆弾は、いつ、どこで大爆発するのか、目が離せなくなりそうだ。
☆たかはし・ひろむ 1989年12月4日生まれ。東京都八王子市出身。2009年に新日本プロレスに入門し、10年8月にデビュー。16年11月に海外武者修行から帰国すると「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」に加入し一躍ブレーク。5度のIWGPジュニアヘビー級王座戴冠を果たしたほか、団体の垣根を越えて日本プロレス界ジュニアヘビー級の顔として君臨した。必殺技はTIME BOMB。171センチ、88キロ。














