新日本プロレスのEVILが1月末をもって退団することが26日に発表された。2015年10月の両国大会で内藤哲也の〝パレハ(スペイン語で相棒)〟として初登場したキング・オブ・ダークネスは、21年9月から極悪軍団「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」のリーダーとして活躍。日本マット界最悪の男は今後、世界最大団体WWEを候補とした海外マット進出が有力視される。
関係者の話を総合すると、EVILは今年の1月末をもって新日本との契約が満了。2月以降の契約を更新しない意向を伝えたため、退団することが決定した。
EVILは19日後楽園ホール大会で開幕した今シリーズにも参戦していたが、28日青森大会以降の対戦カードには名前がなかった。結果的に20日の後楽園大会が新日本でのラストマッチという形となった。
長年にわたり在籍した国内盟主団体を去るとなると、次の選択肢は必然的に海外マットが濃厚視される。米国メディアでは今月に入ってから、EVILが新日本を去る可能性が、たびたび指摘されていた。新日本と提携関係にある米メジャー団体AEWよりも、世界最大団体WWE行きを予測する声が多いのが現状だ。その一方で昨年5月に新日本を退団した内藤、BUSHIの「ロス・トランキーロス・デ・ハポン」のようにフリーとして活動する道も残されるため、今後の動向に注目が集まる。
EVILは2015年10月の両国大会で内藤のパレハとして初登場。同年11月にBUSHIと3人で結成した「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)」は、昨年5月に事実上の解散を迎えるまで日本プロレス界でトップの人気を誇るユニットとなった。
EVIL自身は20年7月大阪城大会でLIJを脱退し「バレットクラブ」に加入。内藤の保持していたIWGPヘビー&IWGPインターコンチネンタル2冠王座を奪取するなど、悪の道を歩むことで一躍トップレスラーに躍り出た。
21年9月に自身が中心となってH.O.Tを結成すると、極悪非道ぶりがさらにエスカレート。ほぼすべての試合で反則まがいのファイトを繰り広げたため、24年6月には団体がセコンドの介入を厳しく取り締まるという異例の声明を出す事態にまで発展し、ファンの間でも物議をかもした。
しかし徹底した悪を貫くことこそが、EVILのレスラーとしての矜持だったという側面は無視できない。昨年のG1クライマックス決勝戦(対KONOSUKE TAKESHITA)でも実力の高さを改めて証明。さらに今年の1月4日東京ドーム大会では21年東京五輪柔道100キロ級金メダルのウルフアロンのデビュー戦の相手を務めた。結果的には敗北を喫し、保持していたNEVER無差別級王座を失ったものの、抜群の知名度を誇るスーパールーキーを相手に繰り広げたダーティーファイトで会場の熱狂を生み、各方面から名勝負と評価を受けた。
新日本プロレスでは24年にオカダ・カズチカ、25年に内藤とトップレスラーの退団が相次いでいるだけに、EVILが抜ける穴も決して小さくない。新時代への移行に期待が高まる一方で、日本マット界随一の悪党が、今後どこのリングを荒らしまわるのかも目が離せなくなりそうだ。













