NYの名門球団も膠着状態が続き、イライラは頂点に達しているようだ。米メディア「ヘビー」が報じたところによれば、FA市場に残る最後の大物を巡り、ヤンキースがついに〝強硬姿勢〟を鮮明にしたという。その相手は自軍からFAとなっているコディ・ベリンジャー内野手(30)、そして「剛腕」で知られる代理人のスコット・ボラス氏(73)だ。

 ドジャースがカイル・タッカー外野手(29=前カブス)を獲得し、メッツもボー・ビシェット内野手(27=前ブルージェイズ)を補強。大物FA選手たちの去就が次々落着し、市場の資金も急速に枯渇する中、ヤンキースはベリンジャーに対し「5年総額1億6000万ドル(約252億7000万円)、2度のオプトアウト付き」という、年俸換算で約3200万ドル(約50億5000万円)の破格条件を提示したとされる。球団側は「極めて公正なオファー」と位置づけているが、ベリンジャー陣営は7年契約を求めて交渉は膠着したままだ。

敏腕代理人として知られるスコット・ボラス氏
敏腕代理人として知られるスコット・ボラス氏

 事態が動いたのは、地元紙「ニューアーク・スターレジャー」のボブ・クラピッシュ記者の報道だ。ヤンキース側はこの条件を最終提示と考えており、仮にメッツなどが〝法外な条件〟で参戦してきた場合、無理に競り合わない方針だという。メッセージは明快だ。「受けるか、拒むか」。ヤンキース側とすれば交渉の余地はあっても、条件の上積みはないというわけだ。

 背景には、ドジャースとタッカーの契約規模との冷静な比較もある。タッカーは平均年俸6000万ドル(約94億7000万円)級。一方、ベリンジャーは年俸3200万ドル(約50億5000万円)では不十分と主張するが、bWARや通算OPSではタッカーが上回る数字を残している。ヤンキースが慎重になるのも無理はない。

 名門か、市場か。それとも第三の選択肢か。ベリンジャーとボラス氏の決断は、フリーエージェント市場の終盤戦を左右する分岐点になりそうだ。