プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)を巡り、今月1日に日本野球機構(NPB)と12球団によって開催された実行委員会でルール改定が検討課題として俎上(そじょう)に載せられた。焦点となっているのは、CSファイナルステージにおけるリーグ優勝球団の「優位性のあり方」だ。これまでも実は水面下で、さまざまな丁々発止の議論が繰り返され〝仰天プラン〟も浮上していたという――。

 現行のファイナルステージは最大6試合制で、リーグ1位球団には1勝のアドバンテージが与えられている。一方で、長年指摘されてきたのが試合間隔の問題だ。優勝チームはファーストステージを戦う必要がなく、その間の公式戦から遠ざかる。一方、ファーストステージを勝ち上がったチームは短期決戦を経験し、勢いを保ったままファイナルへ進出する。この構図こそが、過去に起きた〝下克上〟の要因として語られることも少なくない。

 実行委員会では、こうした懸念を踏まえ「優勝チームの実戦感覚をいかに維持するか」が改定議論の柱となったという。球界内からは「休みが長すぎるという声は、以前から出ている」との指摘も聞こえてくる。

 実はこの問題を解消するための具体案が、過去の実行委員会で非公式ながら検討された経緯がある。関係者の間で語られてきたのが、ファーストステージ期間中にリーグ優勝チームが実戦形式の試合を行うという案だ。

 その内容は異例とも言える。Bクラスに沈んだ4位以下のチームがファーストステージ期間中に優勝チームの本拠地へ赴き、練習試合を実施するというもの。しかも移動費や運営費といった経費は、原則としてBクラス側が負担する仕組みが想定されていた。ある意味、罰則的な要素も含まれていたようだ。

 この案には複数の狙いがあった。優勝チームにとってはファーストステージ期間中も実戦を重ねることで試合勘を維持できる。一方、下位球団にとっては、最後までAクラス入りを目指すインセンティブを高める効果が期待された。シーズン終盤まで順位争いを活性化させるという意味においては、リーグ全体への波及効果も見込まれていたようだ。

 もっとも、この案はあくまで検討段階にとどまり、実現には至っていない。球団間の負担バランスや日程調整、選手のコンディション管理など課題も多く「現実的なハードルは高い」との声も根強かった。今回の実行委員会では、CS制度の見直しを来季以降の課題として継続協議していく方針が確認された。すでに来季CSの日程は公表されており、大幅な制度変更には時間的余裕が少ないのも事実だ。

 ただ、リーグ優勝の価値をどう高めるのかという根本的なテーマは今後も避けて通れない。議論が進めば、かつて検討されたような〝刺激的な案〟が再び浮上する可能性も否定できないだろう。CS制度は、次の転換点を迎えつつある。