来年3月に開催されるWBCに大谷翔平投手(31=ドジャース)の参戦が決定し、新たな懸案が浮上しようとしている。現状では大谷が二刀流で出場するか、打者に専念するかは未定。投手としても出場する場合、故障防止へ万全のバックアップ態勢を敷く必要性があり、井端弘和監督(50)を中心とする侍ジャパンに“大谷マスター”を招聘する必要性がありそうだ。

 大谷の参戦が決定し、次なる焦点は日本代表でのプレースタイルに移行しつつある。

 WBCの開催時期はMLBの2026年シーズンが開幕する約1か月前。ワールドシリーズ3連覇に向け、来季の大谷は開幕時からの二刀流が期待され、WBCでも投手として出場して肩やヒジを消耗することへの不安が付きまとっている。

 ただ、大谷本人は25日(日本時間26日)のリモート会見で「起用法についてはまだ分からない。何通りかプランを持っておくべきだと思う。投げる、投げないにかかわらずドジャースと話をしながら」と明言。球団と侍ジャパン側の意向をすり合わせながら決めていく姿勢を見せた。

 侍ジャパン側からすれば、投打ともに超一流の大谷を戦力として置きたいところ。しかし、“日本の至宝”を故障させることは本意ではないだろう。ましてやドジャースから一定期間、大谷を預かる立場。大谷の能力を最大化しつつ、無傷でドジャースに返すことが求められる。

 そのため、WBCで投手起用にGOサインが出された場合、大会期間中にドジャースのトレーナーや球団スタッフが派遣される可能性があるという。一方の侍ジャパン側も大谷を熟知する人材の新規登用に迫られそうだ。日本代表関係者は「やはり投手としての調整、ノウハウを知る人間がいるに越したことはない」と打ち明けた。

 というのも、世界一を奪還した23年の前回大会では日本ハム時代の大谷を熟知する指導者がズラリと並んでいたからだ。監督を務めた栗山英樹氏(64)を筆頭にヘッドコーチも白井一幸氏(64)、投手コーチは吉井理人氏(60)、ブルペン担当が厚沢和幸氏(53)と二刀流の礎を築いた指導者ばかりだった。大谷を知るからこそ、起用法や調整法について当時所属球団だったエンゼルスから“物言い”をつけられることも一切なかった。

 しかし、今回の組閣では日本ハム時代の大谷と過ごした経験があるのは金子誠ヘッドコーチ(50)のみ。しかも打撃や守備、走塁など野手に関する部門だった。前回大会に続いて村田善則バッテリーコーチ(51)も入閣しているとはいえ吉見、能見投手コーチはNPB時代の大谷とは縁遠い存在だった。だからこそ、大谷の操縦に手慣れた“先導役”が不可欠なのではないかというわけだ。

 米国代表との決勝戦では、エンゼルスで同僚だったトラウトを空振り三振に仕留め、歓喜の瞬間を迎えた。それも大谷の操縦法を首脳陣が熟知していたからこそ生まれた名場面。大谷とドジャース側の話し合い次第では、井端ジャパンに新たな検討材料が持ち上がりそうだ。