歴史的場外弾にまさかの展開だ。ドジャース・大谷翔平投手(31)がナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第4戦で放った特大本塁打のボールが5日(日本時間6日)からオークションにかけられた。「20万ドル(約3000万円)」からのスタートとなったが、飛距離が伸びすぎたがために出品者が“ウソ発見器”にかけられる特異な経緯をたどっていた。 

幸運を手にしたメンドーサ氏(SCP AUCTIONのサイトから)
幸運を手にしたメンドーサ氏(SCP AUCTIONのサイトから)

 大谷らドジャース勢が悲願のワールドシリーズ連覇を成し遂げた一方、“お宝”を巡る熱い戦いが幕を開けた。

 米国のSCPオークション社から競売にかけられたのは、あの記念球だった。大谷がリアル二刀流で先発出場し、1試合3本塁打を放ったブルワーズとのNLCS第4戦(10月17日=同18日)での1球だ。3発のうちの2発目は飛距離469フィート(約143メートル)に達し、右翼席コンコースの屋根を直撃して球場外にまで飛び出した。

 そのボールを幸運にも手にしたのは、ロサンゼルス在住のカルロ・メンドーサ氏(26)だ。4回に外野の裏の広場で特大のナチョスを楽しんでいたところ、突然の大歓声が沸き起こり、飛んできたボールが近くを跳ねて茂みの中に入り込んでいった。メンドーサ氏は他の観客との争奪戦を覚悟しながら反射的に駆けだしてダイブ。足をひどく擦りむいたが、周囲は何が起きているのか分からない状況で一時騒然となった。

 本来、試合にはMLB公式認証員が常駐し、ホームランボールなどにはその場で認証シールを貼られることになっている。ところが、大谷の規格外パワーによってボールは場外に放り出されたため、担当者の視界からも消える格好となっていた。

 米スポーツサイト「アスレチック」によると、現場での認証が行われなかったため、通常とは異なる経緯をたどることに…。メンドーサ氏は「本物」であることを立証しようと、ドジャー・スタジアムのスタッフに日付入りの青いスタンプを押してもらった。さらに、自身のMLBパスポートにも同じ印を受け、“裏づけ”を固めた。

 一方のSCP社も場外ボールの真偽を確かめるべく、メンドーサ氏にポリグラフ検査を実施。“ウソ発見器”にかけた上で宣誓供述書も提出させ、晴れて出品に至ったのだという。

 このボールは「20万ドル」からオークションにかけられ、落札額は100万~200万ドル(約1億5000万~3億円)と予想されている。SCP社では同僚のフリーマンが昨年のワールドシリーズでサヨナラ満塁本塁打を放ったボールを156万ドル、バリー・ボンズの通算756号ボールを約75万ドルで販売したこともある。

 これまで最高値で取引された野球のボールは昨季の大谷が放った50号記念球で、ゴールディン社の439万ドル(約6億6000万円)となっている。

 ドジャー・スタジアムには記念プレートまで設置された「伝説の場外ホームラン」。ナチョスを放り投げて幸運をつかんだ男が手にしたボールはいくらで落札されるのか。締め切りは今月22日(同23日)となっている。