ドジャースはブルージェイズとのワールドシリーズ(WS)第2戦(25日=日本時間26日)に5―1で快勝。敵地トロントで連敗を阻止した最大のヒーローは山本由伸投手(27)だった。ポストシーズン(PS)では24年ぶりとなる2試合連続の完投勝利を挙げ、対戦成績を1勝1敗の五分に戻した。ただ、この日はバックネット裏にも大きな注目が集まった。なぜか〝リアル・カーネルおじさん〟が突如現れ、日米のファンは騒然。その正体と今後への影響は――。

 最後の打者となったバーショを力ない三飛に打ち取ると、山本の表情に笑顔が広がった。3回に犠飛で1―1の同点に追いつかれたが、尻上がりに調子を上げて4回以降は一人の走者も許さない完全投球。落差が大きいカーブやスプリットで粘り強い相手打線を翻弄し、的を絞らせなかった。

 ドジャース2年目の山本がMLB初完投を達成したのは、前回登板した14日(同15日)のブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ。PSでの2戦連続完投は、2001年のカート・シリング(ダイヤモンドバックス)以来となる快挙だった。山本自身も「冷静に投げられたのでよかった。落とせない一戦だったんで1勝1敗でロサンゼルスに戻れたらもっといい流れになる」と、ひと息ついた。

 山本の無双ぶりにも沸いたが、この日は思わぬ〝珍客〟にもスポットライトが集まった。ネット裏には全身白色のスーツに白髪と真っ白なヒゲ、さらに黒縁の眼鏡に黒の蝶ネクタイと、どう見てもあの名物にしか見えない人物が…。

バックネット裏に映り込んだカーネル・サンダースのそっくりさん(KFCカナダのインスタグラムから)
バックネット裏に映り込んだカーネル・サンダースのそっくりさん(KFCカナダのインスタグラムから)

 大手チェーン店「ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)」でおなじみのカーネルおじさんとそっくりで、席に座るだけでなく時に立ち上がってブルージェイズを応援。1980年12月に亡くなった創業者の本人が現世に降臨したかのようで、日米のSNSやネット上は「なぜカーネルおじさんが」「試合に集中できない」など大反響を呼んだ。

 KFC社は文字通り、ケンタッキー州で誕生。トロントとのつながりについて、カナダのオンライン新聞社「デイリーハイブ」によると「カーネル・サンダースがカナダのフランチャイズ事業を監督するため、65年にミシサガに移住し、80年に90歳で逝去するまでカナダにおけるKFCブランドの全権を掌握していた」という。

 そして、全米が注目するワールドシリーズの舞台に〝リアル・カーネルおじさん〟が登場したのは同社の宣伝だったようだ。「KFCカナダ」の公式インスタグラムのストーリーズには商品を紹介する模様や、中継映像に映り込んだ姿が相次いで投稿され、前出メディアは「(WSの)熱狂的な盛り上がりを受け、KFCカナダが意図的に行ったものだった」と〝ネタばらし〟した。

2009年、道頓堀から引き揚げられたカーネル・サンダース像
2009年、道頓堀から引き揚げられたカーネル・サンダース像

 ただ、これだけで終わらなかった。カナダ最大の日刊紙「トロント・スター」(電子版)は「日本の伝説」として、日本球界とファンの間で語り継がれた「カーネル・サンダースの呪い」についても報道。85年にセ・リーグ優勝を果たした阪神のファンたちが大騒ぎし、店頭にあったサンダース像を大阪・道頓堀川の川底に沈めて以来、チームが長く低迷したという都市伝説だ。

 同紙では2009年に引き揚げられたことにも触れ「汚れて両手と眼鏡を失っていたが、ほほ笑んでいた。まるで最後に自分が笑うことを知っていたかのように。2023年、タイガース(阪神)は38年ぶりの優勝(日本一)で呪いを解いた」とし「このサンダースのそっくりさんがドジャースに呪いを持ち込めるかは、彼次第だ。日曜日の夜は効果がなかった。山本が完投で圧倒して勝利を収めた」と伝えたが…。

 第3戦(27日=同28日)からはドジャースタジアムで3連戦。どちらに勝利をもたらすのか分からないが、WSの行方が注目される。