阪神・藤川球児監督(45)は23日に行われた「プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」で、3球団競合となった大学ナンバーワンスラッガー・立石正広内野手(21=創価大)を抽選で見事にゲット。2020年の佐藤輝以来となる当たりくじは、抽選箱の中で「残り福」として火の玉右腕に引かれた。

 指揮官が「昨年のドラフトの時から『今年は立石くん』とほぼ決めていた」と話したように、今秋のドラフト戦略は極めて明快だった。立石に続いて2位で谷端将伍内野手(21=日大)、3位で岡城快生外野手(22=筑波大)と大学生の野手を指名。27年からセ・リーグにも導入されるDH制への対応に加え、〝ポスト・黄金世代打線〟の再構築に向けた強い決意がにじみ出ていた。

阪神のグッズを持ち記念撮影する立石正広
阪神のグッズを持ち記念撮影する立石正広

 生え抜き選手の育成に力点を置いた「超変革路線」の導入から10年がたち、スタメンには近本、中野、森下、佐藤輝、大山ら実績のある面々が並ぶようになった。だが、その大半は20代後半から30代前半の脂が乗り切った年齢。アスリートとして避けられないピークアウトの潜在的リスクは、中長期的マネジメントの一環として考慮に入れなければならない。

 また、今季のセ・リーグで本塁打と打点の1位&2位を独占した佐藤輝と森下は、早期の米球界挑戦の意向を示している。状況によっては一瞬で瓦解してしまいかねない黄金打線は、次世代のバックアップが急務となっていた。

 指名終了後、藤川監督は「狙い通りの選手たち。ひとつのズレもない」と強い手応えを漂わせた。今秋の阪神が支配下指名した投手は4位・早瀬朔投手(18=神村学園)と5位・能登嵩都投手(24=オイシックス)の2人だけ。大胆に偏らせた指名戦略は12球団最強と称される現有投手陣への自信か、それとも――。