和製大砲がついに大きな一歩を踏み出した。巨人は岡本和真内野手(29)がポスティングシステムでMLB球団との移籍交渉を認めると22日に発表した。巨人では3人目の承認となり、野手では初。本人は〝全球団OK〟の姿勢で、米メディアの間でもすでにさまざまな候補が乱立しているが、移籍先はどこになるのか――。

 岡本の夢に球団も突き動かされた。同制度を利用したMLB移籍は2019年の山口俊(引退)、20年オフの菅野智之(現オリオールズ)以来。この日、都内の球団事務所で会見した岡本は山口オーナーや球団への感謝を口にした上で「ずっと憧れでもありましたけど、常に目標にしていた。そういう舞台に行ける選手になりたい、行って戦える選手になりたいと思って今も取り組んでいますし。そういう気持ちは変わらずにずっと持っていました」と思いを明かした。

 希望する移籍先については「本当にない。僕はどこでもうれしいです」とフラットを強調したが、MLB球団からの需要は高いとみられている。今季こそ左ヒジの負傷で長期離脱を強いられたが、18年から23年まで6年連続で30本塁打以上を記録。3度の本塁打王(20、21、23年)に輝き、守備でもゴールデン・グラブ賞を2度獲得した三塁(20、21年)と一塁(24年)、左翼もこなしてきた。

 万能ぶりも兼ね備えた伝統球団の主砲に海を渡る機会が訪れたとあって、今後は激しい争奪戦が繰り広げられそうだ。今季中にはカブスやフィリーズなど複数の球団関係者が視察に訪れ、岡本をチェック。中でも米報道では、巨人OBの松井秀喜氏もプレーしたヤンキースが数多く取りざたされている。

 米球界関係者によると「ヤンキースのキャッシュマンGMは大谷(現ドジャース)の獲得にも失敗したため、日本人の大砲探しに躍起になっている。一部では村上(ヤクルト)の移籍先はメッツが最有力という話も出ている。岡本を是が非でも獲りたいはずだ」と明かす。

 また、02年11月に伝統球団間で結ばれた〝協定〟も追い風になるとみる向きもある。別の関係者は「岡本は守備も良く、打撃の調子のムラが少ないことも魅力の一つと捉えられている。巨人とは業務提携を結んでいるだけに、情報共有もされているだろう。岡本獲得へは一歩リードしている部分は確かにある」とも証言した。

 吉村編成本部長は「彼の描いている夢を球団がバックアップしながら、背中を押して挑戦させてあげたいなという気持ちになった」とサポートを約束。主砲が抜ければチームは大打撃となるが「アメリカで活躍しながらジャイアンツを見守って喜んでもらえるようなチームづくりをしていきたい」と話した。

 申請期間は11月1日から12月15日までで交渉は45日間。来季はどこのユニホームを着るのか大きな注目が集まりそうだ。