ドジャースの佐々木朗希投手(23)がポストシーズン(PS)で新守護神として救世主になっている。9日(日本時間10日)の本拠地フィリーズとのナ・リーグ地区シリーズ(5回戦制)の第4戦に1―1の8回に3番手で登板。シュワバー、ハーパー、ボームを8球で三者凡退に片付けた。9回、10回も登板し、完全投球だった。右肩のインピンジメント症候群で離脱した5月と比べるとまるで別人で、米メディアも大絶賛している。そんな佐々木のすごさを間近で見ているテオスカー・ヘルナンデス外野手(32)とジャック・ドライヤー投手(26)が明かした。

 勝てばリーグ優勝決定シリーズ進出が決まる第4戦で1―1の8回のマウンドに佐々木が上がった。

 先頭シュワバーを1ボールからの2球目、真ん中の98・8マイル(約159キロ)のフォーシームで右飛に仕留めた。3番ハーパーを2球で追い込むと「ロウキ」コール。カウント1―2からの5球目、内角低めの89マイル(約143・2キロ)のカットボールで三飛、4番ボームは初球、真ん中低めの100・7マイル(約162キロ)のフォーシームで二ゴロと8球で終えた。9回は10球、10回は18球でともに三者凡退。

 佐々木が新守護神と認められたのは6日(同7日)の敵地でのフィリーズとのナ・リーグ地区シリーズ第2戦だ。地元ファンの熱狂的な大歓声の中、4―3の9回二死一、三塁で登板し、今季の首位打者・ターナーを2球目の99・3マイル(約159・8キロ)のフォーシームで二ゴロに打ち取り、2試合連続でセーブをマークした。

 PSの3試合で打たれた安打は1本だけ、3奪三振、無四球だ。24球中、ストライク19球でストライク率79%と先発と救援の違いがあるとはいえ、レギュラーシーズンの59%から大幅に改善している。ドジャースの救援陣は四球から失点するパターンが多いが、真逆だ。スポーツ・イラストレイテッド誌(電子版)は「現時点で最高のクローザーであることは疑いようがない」と絶賛した。

 この頼もしい姿に山本由伸投手(27)は「慣れない位置だと思いますけど、すごくいい仕事をしていると思いますし、本人もいい顔をしてプレーしているのですごくよかったなと思います」と喜んでいる。
 ロバーツ監督は7日(同8日)の会見で「間違いなく第一の選択肢。毎試合クローザーで使うわけにはいかないが、理にかなっていれば、彼が試合を締めるだろう」と断言。“令和の大魔神”に期待を寄せた。
 それにしても5月13日に負傷者リスト入りした際は長期離脱が確実視され、今季終了との報道もあった。中継ぎへの配置転換を受け入れてメジャー復帰を果たした9月24日以降、救援で5試合に登板して無失点。どこが大きく変わったのか。

 T・ヘルナンデスは「違いとして感じるのは『自信』だね」と語るとこう続けた。

「今の彼は、自分ができることを分かっていて自信を感じる。最初の頃は、契約のときとか、いろんなことがあってプレッシャーが大きかったと思う。でも今は自分を確立していて、何にどう取り組むべきか、その目的を理解してる」

 佐々木と同じ3月19日のカブス戦(東京ドーム)でメジャーデビューした左腕ドライヤーは救援陣の一員として67試合に登板した“先輩”でもある。しかし、アドバイスは求められておらず「特にしていない」という。

 PSでのクローザーデビューだが、資質を備えているという。
「一番大事なのは、自分の体を知ること。何をしたら準備が整うかを分かってることだね。ロウキはその点すごく自分を理解している。だから必要なことをやって、体を緩めておいて、電話が鳴ったらすぐ準備できる。それが大事なんだ」

 通常なら9回に投げるのが守護神だが、短期決戦のPS、?マークが多いロバーツ監督の投手起用もあって、いつ呼ばれるか分からない。第2戦の9回二死一、三塁がまさにその典型だ。

 ドライヤーは「ロウキはすごくうまくやってるように見える。大事な場面で投げて結果を出しているからね。だから今のやり方をそのまま続けるのがいいんじゃないかな」と感心している。

 1998~2000年のヤンキース以来、21世紀初のワールドシリーズ連覇を目指すドジャースにとって佐々木は切り札だ。