ドジャースの大谷翔平投手(31)は28日(日本時間29日)に敵地シアトルのマリナーズ戦に「1番・DH」で先発出場し、7回に自己最多を更新する55号を放ち、5打数3安打1打点、2得点でレギュラーシーズン最終戦を飾った。1本差で3年連続本塁打王は逃したが、2度目の右ヒジ手術からの投手復帰で1勝1敗、防御率2・87、62三振を奪った。30日(同10月1日)に開幕するポストシーズン(PS)ではいよいよ投手デビューする。投打二刀流でどんな活躍を見せてくれるのか。今年も10月の主役は背番号「17」だ。

 敵地T・モバイルパークのファンが総立ちになったのは4―0の7回二死無走者だった。3番手の左腕スパイアーの2ストライクからの3球目、真ん中高めの95・1マイル(約153キロ)のフォーシームを豪快に振り抜いた。角度32度、打球速度109・5マイル(約176・2キロ)で中堅上空に伸びた。フェンス際でジャンプした中堅手レイリーのはるか頭上を越えた。自己最多と球団記録を更新する55号ソロだ。2試合ぶりの一発は飛距離412フィート(約125・6メートル)だった。これで移籍後2年間の本塁打は109本となり、2001~02年のA・ロドリゲス(レンジャーズ)に並び歴代2位タイとなった。

 試合後、中継局のインタビューで55号の意味を聞かれ、「それだけ打てればチームが勝つ確率も上がると思います。今日は今日として、まず自分のベストを更新できたっていうのはいいことですし、また明日から切り替えてポストシーズンに向けて頑張りたいなと思ってます」と話した。

 一発出れば3年連続本塁打王となる9回二死無走者は5番手の右腕ジャクソンと対戦。フルカウントからの7球目、内角低めの94・1マイル(約151・4キロ)のフォーシームにバットは空を切ると、敵地にもかかわらず大きなため息に包まれた。休養した27日(同28日)の試合に出場していれば並ぶか、抜いた可能性もある。しかし、大谷の目標は個人タイトルではなく、チームの勝利、1998~2000年のヤンキース以来、21世紀初のワールドシリーズ連覇。当然、悔いはない。

 初回先頭は右腕ミラーから右翼線を破る二塁打となった。3回先頭はライナーで右前に運んだ。結果的に三塁打が出れば自身2度目のサイクル安打だったが、「いやもう何も考えずに。今日は本当にポストシーズンのためにいい感覚を持って終わりたいなと思ってたので」と3安打したことを喜んだ。

 2度目の右ヒジ手術から投手復帰した今季も打者としては記録的なシーズンだった。現役唯一の3年連続40本塁打、史上6人目の2年連続50本塁打、史上初の2度目の「50本塁打―20盗塁」を達成した。146得点と109四球は自己最多だ。89長打、380塁打は2年連続でメジャートップだった。

 また、今季のOPS1・014はナ・リーグ1位で2位のフィリーズのシュワバー(0・928)に大差をつけた。0・900以上で「素晴らしい」と評価されるOPSで今季1・000を超えているのはヤンキースのジャッジ(1・145)と2人のみ。メジャートップの60本塁打を放っているマリナーズのローリー(0・948)も到達していない。3年連続で1・000超えは現役ではエンゼルスのトラウト(2017~19年)と2人だけで、まさに超一流の証明だ。近年のMVP投票で重視されている勝利貢献度を示すfWARは前日27日の時点でダントツの9・2で、2位のダイヤモンドバックスのペルドモは7・1で、56本塁打、132打点でナ・リーグ2冠のシュワバーはリーグ14位の5・0。3年連続、歴代単独2位の4度目のMVPはほぼ確定だろう。

 いよいよ30日にPSが開幕。レッズと戦う。今年はワイルドカードシリーズから登場のため世界一連覇には地区シリーズからだった昨年の11勝より2勝多い13勝が必要だ。

「本当に最後までチーム一丸になって戦いたいですし、このシアトルでの3連戦も素晴らしい内容で終わっていると思うので、この勢いをポストシーズンにぶつけたいなと思っています」

 今年のPSの最大の注目は投手・大谷。9月は3試合で無失点だった。昨年は左肩を痛めて不完全燃焼だったが、2年目のPSは投打二刀流で無双が注目される。楽しみだ。