男子マラソン再建へ名将の考えは――。陸上の世界選手権(世界陸上)は21日に閉幕。東京・国立競技場発着で行われた男子マラソンは、近藤亮太(三菱重工)が2時間10分53秒で日本勢最高の11位、小山直城(ホンダ)は23位、吉田祐也(GMOインターネットグループ)は34位だった。世界選手権では6大会連続で入賞を逃す形となったが、復権のカギはどこにあるのか。青学大陸上部長距離ブロックの原晋監督(58)が〝改革案〟を示した。
スタート時の気温は26度で湿度は約70%。22人が途中棄権した過酷な環境下でのレースは、アルフォンスフェリックス・シンブ(タンザニア)が2時間9分48秒で金メダルに輝いた。男子日本勢は暑熱対策や地の利を生かして臨んだものの、世界の壁は厚かった。アディダス社主催のイベントで、原監督は「3人とも入賞はできなかったけど、日本長距離界が目指す種目はマラソンだと改めて感じた」と前向きに語った。
今大会は2時間2分38秒の自己ベストを持つデレサ・ゲレタら強豪のエチオピア勢の全3選手が途中棄権し、ケニア勢も入賞することができなかった。波乱のレースを通じ「2時間2分台、3分台のランナーが軒並み途中棄権して、ケニア、エチオピア勢が入賞していない。日本人も記録を狙う大会でない、五輪や世界陸上であれば、十分チャンスがある種目だと思っている」との見解を示した。
近年のマラソン界は高速化が急速に進む一方で、五輪、世界選手権は持ちタイムだけでは戦えない。だからこそ、男子日本勢にも勝機がある。イベント後、取材に「陸上競技の原点は勝負事であり、着順争いだと思う。2時間9分台のタイムでも優勝は優勝。その大会ごとで駆け引きが当然あるわけだし、駆け引きをやっぱり普段の大会から学んでいくことが大切になる」と指摘した。
その勝負勘を養う一つの手として、ペースメーカーに頼らない走りが求められるという。「最近はペースメーカーをつけて、いい環境でタイムを追い求める大会が増えている。主要のマラソンでも30キロまでペースメーカーがついているけど、僕はペースメーカーは外すべきだと思っている」と訴えた。
タイムがいくら優れていても、レースで相手より遅くゴールすればメダル争いや入賞争いに食い込むことはできない。「大会に出場するための標準記録を狙うための大会はつくるべきだと思う」としながらも、「全てにおいて環境を整えてあげるのはそもそもおかしな話。やっぱり原点に戻ってほしい。順番というものが一番の価値だと僕は思っている」と声を大にした。
世界選手権では05年ヘルシンキ大会の尾方剛以来、メダルから遠ざかっている。世界とこれ以上引き離されないためにも、原点回帰の必要がありそうだ。













