ナ・リーグMVP争いはドジャース・大谷翔平投手(31)で「ほぼ決まり」との空気が漂う中、有識者から異論が飛び出した。米有力紙「USA TODAY」の敏腕記者ボブ・ナイチンゲール氏が「大谷がMVPを逃す可能性もある」と警鐘を鳴らし、話題を呼んでいる。
大谷は2日(日本時間3日)現在で今季打率2割7分9厘、46本塁打、87打点、出塁率3割8分8厘、長打率6割1厘と圧巻の数字を残し、投手としても32回1/3を投げ44奪三振、防御率4・18を記録。投打合わせてWARは5・8で全体8位にランクされており、二刀流の総合力は疑いようがない。野球界の大勢は「5年で4度目のMVP受賞は確実」と見られている。
しかしナイチンゲール氏は「もし大谷が終盤に失速し、フィリーズのカイル・シュワーバーが60本塁打に到達すれば状況は一変する」と指摘する。実際、シュワーバーはすでに49本塁打、119打点と打撃2部門で大谷を上回っており、1試合4発を放った直後とあって勢いは止まらない。OPSや打率では大谷が優位に立つが、純粋な打棒でタイトルをかっさらえば、票が流れる余地は十分にあるというわけだ。
米誌「スポーツ・イラストレイテッド(SI)」もナイチンゲール氏が大谷の〝MVP落選シナリオ〟を指摘したことについて報じており「いわゆる『投票疲れ』も懸念材料となる」と論じている。すでに複数回にわたってMVPに輝いている大谷に対し、記者投票では「毎年同じ選手よりも新鮮味を」との心理が働きやすい。過去にも〝常勝スター〟が記録的な数字を残しながら、新顔に票を奪われた例は少なくないというのが同誌の論調だ。
もっとも、大谷にはMVPレースを決定づける力がある。この点に関しては、ナイチンゲール氏も「打撃のペースを維持し、マウンドでの好投を続ければ揺るがない」と認めている。果たして票読みを吹き飛ばすような神懸かりの秋を迎えるのか。それともシュワバーがさらなる本塁打量産で追い上げ、歴史的番狂わせを演じるのか。シーズンも佳境に入り、世紀のMVPレースはいよいよクライマックスに近づこうとしている。












