鷹狩り完遂――。パ・リーグ2位の日本ハムは24日のソフトバンク戦(エスコン)で延長10回に1―0で劇的なサヨナラ勝ち。首位攻防3連戦に全勝し、ついに0・5ゲーム差まで詰め寄った。新庄剛志監督(53)は悲願のリーグ優勝へまた一歩近づいた一方、連日の大熱戦で困った問題に頭を抱え、地元テレビ局にはムチャぶりともいえる〝珍要求〟を出している。

 勢いは本物だ。エース伊藤が9回129球を投げて無失点。11奪三振の力投でも決着がつかず、両チーム無得点のまま突入した10回に途中出場の奈良間が値千金のサヨナラ打を放ち、鷹を沈めた。伏兵の劇打に新庄監督は「この一打でアピールポイントも6000万点ぐらい取った」と笑顔が絶えなかった。

 シーズン終盤に入っても日本ハムは激しい上位争いを繰り広げ、本拠地は連日の大入り。毎日のように超満員に膨れ上がり、23日の同戦は収容人数の「3万5000人」を大幅に上回る「3万6047人」、この日も「3万5874人」のファンが訪れた。

 観戦チケットはすでにプレミアム化している上、チームは試合終盤に巻き返す展開が真骨頂となりつつある。そこで新庄監督は奮闘ぶりを〝生〟で届けられないことにひそかに頭を抱え、地元テレビの各局に異例の「試合中継の放送枠拡大」を懇願しているのだ。

 ホームゲームのほとんどが地元の地上波で放送されているが、時間は試合開始から2時間ほど。それを超える延長放送は基本的になく、試合途中で打ち切られてしまうケースが少なくない。局側からすれば編成上、当然といえるが、現状ではチケットを手に入れられないファンを満足させられないばかりか、チームが試合終盤に逆転してもリアルタイムで視聴することはできない。だからこそ、ファンを大事にする新庄監督は「何とかできないか」と心を痛めているのだ。

 19日のオリックス戦に本拠地でサヨナラ勝ちした際には「こういう素晴らしいゲームが続いているんでね。ファンは見に来たいと思うんですけど、チケットは…完売か」とポツリ。地上波放送が試合中の午後9時前に打ち切られていたことを知ると「えっ? 午後9時まで!? うわーっ」と天を仰ぎ「これ、地上波で放送してなかったんですか。一番いいところを(ファンは)見れてないってこと? 今年のファイターズは違うな、っていうところを見せたかったんですけど…。そこ(放送枠)は何とかならなかったんですか」と地元テレビ各局の担当者を前に放送枠延長を願い出たほどだった。

 新庄監督は熱心なファンがCS放送で試合の最後まで「生観戦」していることは重々理解している。ただ、悲願のリーグ優勝に向け、試合終盤まで奮闘するナインの姿を地元の一般のファンにも見てもらいたい。そんな思いが強いだけに地上波の放送枠を気にかけているのだろう。

 こうした地元局への要求だけでなく、最近では「(試合後の)選手の声を聞きたい。こういう気持ちでやってたんだ、っていうのを知りたいので記事にしてほしい」とも報道陣に懇願。これも自身が選手を把握することに加え、ファンサービスの一環と捉えてのことだ。

 宿敵を相手に3連勝を飾り、リーグ優勝の可能性が再び高まってきた日本ハム。今後もシ烈な戦いが予想されるだけに、指揮官の切なる願いは届くのか。