ソフトバンクの〝名伯楽〟倉野投手コーチが「成長曲線が急激に上がった」と語った投手がいる。高卒3年目の大野稼頭央投手(21)だ。奄美大島出身の左腕は今季一軍デビューを果たすと、救援として4試合に登板。防御率0・00と実力を示した。現在、二軍で鍛錬を積む左腕の今とは──。
──一軍を経験して今取り組んでいること
大野 見つかった課題として自分の得意なコースにしっかり投げ切ること、あとは追い込んでからの変化球の精度。制球面が一番の課題なので、そこに取り組んでいます。
──倉野コーチからもその課題を提示された
大野 そうですね。得意なコースをいつでも投げられるようにしておけば困った時に引き出し、余裕が生まれてくると思う。まずは得意なコースを重点的にやっていこうかなと。
──一軍で一番うれしかった瞬間
大野 あんまり覚えてないですね。悔しい方がすごく残っています。北九州でロッテの安田さんに打たれた右前打(7月17日)、楽天の村林さんに打たれた中前打(7月12日)だったりっていうのは、悔いの残る一球。レベルの高さを痛感させられたというか、自分の力じゃ抑えられないというのをハッキリ見せつけられた。
──一軍と二軍の一番の違い
大野 対応力ですね。自分の一番得意な球、自信のある球を投げてもあっさり打ち返されたんですけど、だからといってそれを投げないわけにはいかない。それを超える球を投げないといけないので、そこは追い求めてやっていかないと。
──今季から新球種パワーカーブを取り入れた
大野 順調には来ていて二軍である程度自信はつけられたんですけど、一軍の打者のレベルではまだ通用しなかった。そこで空振りとったり、打ち取ったりできるようにしないといけない。
──自主トレもともにした和田毅さんからの助言がキッカケ。球種を増やしたいと思っていたのか
大野 増やしたいなというのはなかったんですけど、本当に軽い感じでキャッチボールしている延長線でそういう会話になったので。遊び心じゃないですけど、それがうまく結びついている。キャッチボールでの試し球が持ち球になることは今まではなかったんですけど、ちょっとした変化、工夫を加えるところで編み出せたのは、すごく大きい。
──もともと器用なタイプか
大野 いや、そんなには…(笑)。教えられたことをやっとできるようになるのが多いので。そんなに器用ではないですね。中学までは球が遅かったので、緩いカーブで緩急をつけていた。今でも緩急を生かすのは自分の中でも変えたくないし、そこが一番の武器なので。コーチからも「そこだけは変えるな」と言われている。
──一軍にはすぐになじめた
大野 緊張して少し時間がかかったんですけど、そこで最初は大山さんが声をかけてくれて。そこから津森さんが戻ってきて、津森さんにご飯に連れていってもらったりしたので。話しかけてくれてやりやすかったというか、気が楽になりました。すごくありがたかったです。
──飛行機移動なども最初は気を使ったのでは
大野 大山さんが隣だったのでいい意味でなんとも思わなかったです(笑)。
──弟さんが鹿児島実で3年生で投手として出場。惜しくも準決勝で敗れた
大野 準決勝だけ携帯でフルで観れたんですけど(結果が振るわなかった)。試合終わって夜10時に電話をかけて「どうだった」と聞いたら意外とあっさりしてたので、自分がビックリしましたね。もっと落ち込んでるかなと思ったんですけど、そんな感じかと(笑)。
──今季残りの目標
大野 もう一回一軍に戻って、チームの勝ちにつながるような投球をする。そういう場面で使われる選手になっていかないといけないと思います。「稼頭央なら大丈夫」と思ってもらえるような形に持っていきたい。
──人生での目標はあるか
大野 目標ですか…楽しく生きることです! 気楽にじゃないですけど、それくらいの気持ちでフラットに楽しくっていう感じが自分に合ってるし、そういう風に今まで生きてきたので(笑)。そういう風にやっていきたい。野球もやる時はしっかりやって、それがマインドセットにもなっていると思います。
☆おおの・かずお 2004年8月6日生まれ 鹿児島県奄美大島出身。左投げ左打ち、投手。背番号60。身長176センチ、体重70キロ。大島高ではエースとして2年秋の九州大会で準優勝。同校を2度目の甲子園出場に導いた。3年夏は県大会決勝で鹿児島実に惜敗。22年ドラフト4位でホークスから指名を受けた。入団から二軍で鍛錬を積み、今季、6月1日の楽天戦(楽天モバイル)でプロ初登板。一軍では救援として4試合に登板し、防御率0・00。二軍では13試合で1勝1敗、防御率2・31(8月24日現在)。
















