メモリアル勝利まで、マジック「1」とした。巨人・田中将大投手(36)が21日のヤクルト戦(神宮)に先発し、5回3安打1失点と好投。チームは7―1で快勝し、自身も今季2勝目を飾った。約4か月半ぶりとなる白星で日米通算199勝目。金字塔に王手をかけた。

 1点の援護をもらった直後の初回は三者凡退と幸先良くスタート。2回にはリチャードが6号2ラン、丸も6号2ランで続くアベックアーチなどで一挙5得点を追加。大量点をプレゼントされたベテラン右腕は4回にオスナの9号ソロを被弾するも大崩れすることなく、敵地で強力なツバメ打線を相手に81球を無四球のまま投げ切った。

優しい表情でお立ち台に立った田中将大
優しい表情でお立ち台に立った田中将大

 阿部慎之助監督(46)も田中将について「頑張ってもらうよ。(ローテは)そのまま」とコメントし、大台到達に向けて背中を押した。

 2月の春季キャンプから久保康生巡回投手コーチ(67)とともに二人三脚でフォーム改善に取り組み、変化を恐れず前へ進んできた。それでも田中将には今でも変わらない「ルーティン」があるという。古巣・楽天の球団関係者は、次のように打ち明けた。

「(入団当初の)10代の頃から、マウンドに立った時の〝にらみ顔〟は今でも変わらない。あの眼光の鋭さはプロ野球界トップ。そう評しても過言ではないだろう。もし、この眼光がマウンド上から消える時は『引退』となる可能性も高い」

 楽天を球団史上初の日本一に導いた2013年は、シーズン24連勝無敗を飾るなど数々の記録も打ち立てた。こうした栄光の経歴を引っさげ、14年から7年間在籍したヤンキースでも走者を背負うとギアを引き上げ、マウンド上から打者をにらみつけて〝視殺〟。楽天時代と同じスタイルを貫いていた田中将に対し、当時の米メディアやMLB関係者は「キラー・アイ」と命名していた。

 負けん気が強いからこそマウンド上では相手を刺すような鋭い眼光で萎縮させ、制圧する。これがプロ19年目を迎えても何ら変わらない田中将の真骨頂だ。

 この日の試合後に田中将本人が「ランナーを出した後、ちょっと慎重になりすぎる部分とかもあった」と吐露した通り、かつてのように「目」と「体」が思うような形で連動しないシーンもだんだんと増えつつあるのは事実。それでも日米であまたの強打者たちをのみ込んできた「キラー・アイ」の鋭さは、まだまだ健在だ。今後もしばらく消えることはない。