最高峰の舞台が34年ぶりにキター! 9月13日に東京・国立競技場で開幕する陸上世界選手権(世界陸上)でスペシャルアンバサダーを務める俳優の織田裕二(57)が本紙の単独インタビューに応じ、〝陸上愛〟を爆発させた。1997年から2022年まで13大会連続でメインキャスターを務め、陸上報道の〝顔〟としておなじみの存在に。女子800メートルで開催国枠エントリー設定記録(2分00秒99)を突破している〝スーパー高校生〟久保凛(17=東大阪大敬愛高)の飛躍にも大きな期待を寄せた。

 ――東京開催は1991年以来34年ぶりだ

 織田 無事に始まって、無事に終わってほしい。選手に何を見せてもらえるのかなと。個人的に見たい選手も何人かいるし、あとはどんなドラマが待っているのか楽しみでしょうがない。

 ――長年メインキャスターを務め、今大会はスペシャルアンバサダーに

 織田 いろんな思いがある。僕らは最初スタジオというか(中継局の)TBS本社からお届けしていて、現地と時差があった。(2007年)大阪大会の時に初めて現地から放送を始めた。やっぱり競技場にお客さんが入っていて、現場の空気感が面白い。その土地、国々の空気感があるしそれも楽しみ。

 ――今大会は国立競技場で行われる

 織田 この世に生を受けて初めて東京で五輪を見られると思っていた。「プラチナチケットだろうな」と思っていたけど、コロナ禍で(無観客で)誰も見られなくなっちゃった。せっかく東京でやっているのに見られない悔しさがあったけど、やっと見られるわけですよ。このために国立競技場を造ったんでしょって。ようやく、こけら落としみたいな気分です。

織田裕二の〝陸上愛〟の原点は「かけっこ」だ
織田裕二の〝陸上愛〟の原点は「かけっこ」だ

 ――スポーツの中で陸上を最も愛する理由は

 織田 野球もサッカーもゴルフも見るし、いろんなスポーツが好き。昔はやる方の専門だったけど、年齢とともに見るのも楽しくなってきて。その中で一番謎だったのが陸上で、全く興味がなかった。部活でも僕は野球、テニスとか球技ばかりやっていて、走るのはトレーニングの一環としか思ってなかったし、すごくマニアックな競技だと思っていた。でも待てよ…陸上って全てのスポーツの基本だよなって。それを極めた人たちって、何なんだろうって。

 ――シンプルな競技だからこそ奥深さがある

 織田 五輪を代表する種目は何かと聞くと、世界中の半分の人が100メートル(走)と言うと思う。野球、サッカーでも(国民が)やったことのない国があるかもしれない。だけど世界中で、かけっこをやったことがない国の人はいないだろうと。100メートルで(世界)1位の人は、本当に人類で一番足の速い人と言って間違いないんだなと。地球上で一番足の速い人であったり、そういう基礎的な能力の一番が集まる大会が陸上競技で、世界陸上なのかなって。

 ――注目選手に女子やり投げで23年ブダペスト大会、24年パリ五輪で金メダルの北口榛花(27=JAL)を挙げている

 織田 ただただ応援するだけ。その6投を目に焼きつけて、試合を楽しみたい。彼女は表情が豊かなので(今までは)投げ終わる前、投げ終わった後、セケラック・コーチとのやり取りを見ていると、彼女が今どういう状況にあるのかわかりやすかった。でも世界陸上、五輪でチャンピオンになってそれも変わったかもしれない。わかりやすく表情に出ていた人だから(今大会で)どんな表情をするのか楽しみ。

 ――女子800メートルで高校生ながら日本記録(1分59秒52)保持者の久保にも期待がかかる

 織田 彼女にとってはこれが世界デビューと言ったら変だけど、スタートなので。どういうふうにそこで学んでいって、何を感じて受け取っていくんだろうなと。世界の壁がめちゃくちゃ厚いのは本人もわかっているだろうし、それを体感できるいい機会だと思う。

 ――最高峰の舞台を経験できるのは大きい

 織田 日本でやっていたレベルと全然違うのを、ガツンと感じられると思う。そこで『私これからどういうトレーニングすればいいのかな』って、自分でより考え出すんじゃないのかな。そこで感じたことは財産になって、彼女の次につながっていくだろうから。彼女にとって、今は全部がプラスになると思う。

☆おだ・ゆうじ 1967年12月13日生まれ。神奈川県出身。91年にフジテレビ系ドラマ「東京ラブストーリー」で大ブレークし、99年には「踊る大捜査線 THE MOVIE」で第22回日本アカデミー賞主演男優賞を受賞するなど数々の大ヒット作に主演。TBSが陸上世界選手権の放映を始めた97年アテネ大会から2022年オレゴン大会まで、25年間にわたって13大会連続でメインキャスターを務めた。今年の東京大会ではスペシャルアンバサダーに就任。177センチ、78キロ。